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新宿チビたび散歩

第26回 春を探しに新宿御苑に行ってみよう (3)

大温室と梅林探検、オプショナル散歩を紹介

2013/02/22

ひろ~い新宿区を、ちっちゃく区切って、ちょっとお出かけ“チビたび散歩”。寄り道したくなる場所や一度は行ってみたいスポットを訪ねて、ときには気になるあの人にひょこっとお話を聞いて、ぶらりぶらりとちょっとした旅気分でお散歩します。

新宿の名園・新宿御苑に、冬を楽しみ、春を探しに「チビたび散歩」してみませんか。
春を待つ新宿御苑の紹介、その第3回、最終回です。(取材・撮影: 2013年1月31日)
第1回では、新宿御苑への行き方を、第2回では、新宿門から入り、大木戸門の方へ向って、蝋梅水仙福寿草などを見てきました。
今回の第3回では、大温室玉藻池の梅に行きます。そして、元気な人用に企画した「オプショナル散歩」をご紹介します。

ちょっと疲れたという場合は、無理をせずに、別の日にまた新宿御苑に来てくださいね。
大温室玉藻池の梅で、1時間半から2時間程度は、最短でも必要と思ってください。
他の「オプショナル散歩」は、興味がある人でしたら、それぞれ半日くらい楽しめる内容です。

なお、植物や鳥などの動物についての説明は、筆者の経験を含む「筆者調べ」です。
[参考写真]とあるものは、別の場所・時期に撮影したものです。新宿御苑で撮影したものではありません。

大温室を探検しよう

2012年11月に大温室が公開されました。
大木戸門のすぐ近くにあり、一年中、熱帯の花や植物をみることができます。
第一回で「睡蓮」と紹介したのは、実はここの「熱帯性睡蓮」のことです。

大温室の入館時間は、午前9時30分~午後3時30分です。
午後4時には閉館するので、ご注意ください。

全面ガラス張りで、内部は実に明るいです。冬でもあったかです。
挨拶ナシに、突然夏が来たようで、ワクワクしてしまいます。

そして、ときどき「ぐぁ~ん」と音が響くことがあります。
大温室は環境省の秘密基地で、エコロボットか何かが地下倉庫から発進するのか、あるいは、エコで優しいカラス避けの威嚇音かと思っていました。
この音に遭遇された人はぜひ推理してください。答えは最後を見てくださいね。

さて、本題に戻って、順路に従って一緒に見て行きましょう。

入口~人と熱帯の植物

入ってすぐ右側が「人と熱帯の植物」のコーナーの入り口です。
日本庭園の回遊式庭園のように、限られた敷地面積をうまく利用して、いろいろな植物を配置してあります。

まず、赤い「紅団扇(ベニウチワ)」がお出迎えしてくれます。
壁にあるのは、「麋角羊歯(ビカクシダ)」。
十分に大きなシダ類です。ところが、大温室の1番出入り口には、巨大なビカクシダが鎮座しています。
大温室から出るときに見てください。
明るい日差しの元、カトレアなどの花の鉢植えやバナナなどの暖かい地域の木々や花が並んでいます。

植物の名前は、名札が木の根元か枝にありますので確認してください。
鉢植えは、ラテン語で書いた小さな札があり、何のことやらわかりませんでした。(実はカトレアでした)
[参考写真]
[参考写真]
芙蓉の花というと、ピンクで大きな花を思い出しますが、これは「首肯き姫芙蓉(ウナズキヒメフヨウ)」という花です。
うなずかない、花が上を向いた「姫芙蓉(ヒメフヨウ)」という品種もあります。
このネムノキ、あるいは、ブラシの木の花のようなものは、「大紅合歓(オオベニゴウカン)」の花です。白い色のものもあります。

世の中には、不思議な花もあるものですね。
(自分の無知をさらけだしているだけですが)

熱帯池沼の植物

池の中で丸く見えるのは、「大鬼蓮(オオオニバス)」です。花も咲いていますよ。
聞いた話では、子供が乗っても沈まないとか。本当かどうかわかりませんが、葉の裏はトゲトゲだらけで、私は触りたいとも思いません。(当たり前ですが、展示物には触らないでくださいね)
滝があります。滝の裏側を通る順路になっています。
本物の滝では、裏側に回る機会はめったにないので、ちょっと嬉しくなりませんか。
滝を抜けて、すぐ見えるのが「熱帯性睡蓮」です。
奥に見えているのは、さっき見た大鬼蓮(オオオニバス)です。
運が良ければ睡蓮の花をみることができるかもしれません。

熱帯低地の植物

バナナあります。展示物ですから、食べてはいけません。植物の採取は禁止です。
場所を区切って、沖縄コーナーや小笠原コーナーも同居しています。

乾燥地の植物

砂漠などの乾燥地は、棘だらけのサボテンや肉厚の多肉植物の世界です。
手前、右側の葉が横に伸びているのが、「天竜(テンリュウ)」。
少し左下の浜に打ち上げられた昆布のようなものが、「奇想天外(キソウテンガイ)」。
左側の丸いものは、「金鯱(キンシャチ)」。
実に優雅な名前を考えるものと感心しました。銘板は「カタカナ表記」ですが、漢字になおすと、名前の奇怪度が増します。

熱帯山地の植物

熱帯でも山地のコーナーに入ると、少し涼しくなります。
ここでも珍しい植物が集合しています。
カトレア」の仲間の花が並んでいます。
ときどき響く「ぐぁ~ん」の正体

大温室の天井は、外から見ると、いくつか三角形のトゲが出ていることがあります。
大怪獣が攻めてきたとき、トゲが刺さって踏みつぶされないための工夫ではありません。

このトゲの部分は、トビラ式の天窓になっていて、空気抜きになっています。
「ぐぁ~ん」の音は、室内の温度が高くなってきたときに、モーターで天窓を開け、温度を下げているのです。
この他にも、自然と調和した、節電にもなる、いろいろな工夫があるようですね。

玉藻池と梅 ~オプショナル散歩~

さて、ここからは、「オプショナル散歩」のコーナーです。
大温室から、大木戸門の方に進んだ所にある玉藻池には梅があります。

大温室から大木戸門側に移動すると、階段で降りることになります。
車いすやベビーカーなどをお使いの場合は、新宿門側の下り坂を降りてください。

梅の地面は、芝生や土です。大木戸休憩所までは舗装されています。
足元の悪い人は、この休憩所から眺めると良いでしょう。

梅は、平年ですと、2月の中旬くらいから咲き始めます。
梅の満開を期待するのであれば、2月下旬から3月上旬に来るようにしてください。
現在の開花状況は、国民公園協会 新宿御苑のホームページで確認することができます。
新宿御苑の最新自然情報  (国民公園協会 新宿御苑のホームページ)

梅が開花していなくても、青空の下の梅林は風情があります。
近くには、玉藻池もあり、水鳥が遊んでいます。
[参考写真] 白梅
[参考写真] 白梅
[参考写真] 紅梅
[参考写真] 紅梅

玉藻池から大木戸休憩所を望む

天気の良い日の池は、最高に美しい姿を見せてくれます。
冬は空気も澄み、青空と反射した水面の青がとても綺麗です。

プラタナス並木 ~オプショナル散歩~

大木戸門、また、玉藻池の梅に続いて、フランス式整形庭園には「プラタナスの並木」が並んでいます。
プラタナスは冬に落葉し、晴天の日は日向ぽっこに最適な場所に変身します。

プラタナスの並木の間はバラ花壇があります。バラの花は、夏と秋が見頃です。
それまではプラタナスの並木で日光浴しましょう。

プラタナスの並木の前は、砂利道です。
移動ルートは新宿御苑のみどころマップの地図で確認ください。
どうぞ、お座りくださいませ。
どうぞ、お座りくださいませ。
風が強い日は、寂しい風鳴りの音が聴けます。
風が強い日は、寂しい風鳴りの音が聴けます。

野鳥の観察 ~オプショナル散歩~

新宿御苑は、池のある庭園です。
都心にもかかわらず、いろいろな野鳥が遊びにきます。

野鳥観察は、時間の余裕をもってきてください。
風景や花と違い、野鳥はかならず見ることができるとは限りません。
その替わり、わかってくると、いろいろな面白い場面を見ることができます。

例えば、鴨などの水鳥は、集団で生活しています。
ですので、人間関係ならぬ、「鳥関係」を楽しむことができます。
この時期は、ペアを探しているので、オスとメスの駆け引きが活発です。
確保(?)した彼女を他のオス鳥に奪われないよう、必死にガードしているオス鳥を観察できます。

それでは、一部ですが鳥さんを紹介しましょう。
[参考写真]
[参考写真]
金黒羽白(キンクロハジロ)
金色の目玉、黒いポニーテール(冠羽)が魅力。
ぷっくりした体形でありながら、水中に潜ります。
オス鳥は、白黒の羽色で、メス鳥は、全体に茶系の色をしています。
個人的に、大のお気に入りの鳥さんです。
軽鴨(カルガモ)
オス・メス共に茶色の羽色で、雌雄を見分けにくい鴨です。
オスは、背中の尾に近い羽根が黒っぽい色をしています。
[参考写真]
[参考写真]
白鷺(シラサギ)
真っ白の優雅な鳥ですね。
白鷺には、大鷺、小鷺などの仲間がいます。
近くで見ると、白い羽根がクジャクの羽根のように細かく枝分かれしていて、感動しますよ。
首が短く足も短い「五位鷺(ゴイザキ)」や灰色をした「青鷺(アオサギ)」も、来るかも知れませんね。
[参考写真]
[参考写真]
目白(メジロ)寒桜(カンザクラ)
目の周りが白く、ウグイス色をしている小鳥です。沢山います。
ウグイスと間違える人がいますが、ウグイスは、緑色と褐色を薄く混ぜた羽色をしています。
梅や桜が咲くと、花の根本から蜜を食べ、花を散らしています。
園内での動物へのえさやりは禁止です。野鳥などの野生動物は自然の食料で自活しています。エサは絶対に与えないでください。
人に依存する生活になると、むやみに増えたり、他の種類の生物の生存に悪影響を与えることになります。

青い空と水辺で憩う ~オプショナル散歩~

天気の良い日は、太陽を吸収しに、公園を散策しませんか。
橋の上から水面を見ると、あ~ら不思議、そこには別世界が広がっているかも。

ただ、水辺には不用意に近づかないようしてください。
落ちたら大変です。
左に見えるのがレストハウスです。奥に東京タワーが少し見えます。
左に見えるのがレストハウスです。奥に東京タワーが少し見えます。
左の三角形のビルはNTTドコモ代々木ビルです。
左の三角形のビルはNTTドコモ代々木ビルです。
日本庭園の橋の上から見た眺めです。橋と人の影がうっすら出ています。
日本庭園の橋の上から見た眺めです。橋と人の影がうっすら出ています。

お疲れ様でした

新宿御苑は、午後4時30分が閉苑時間です。
午後4時には、後30分の案内放送が流れます。

旅ツアー「新宿御苑・チビたび散歩」は、3つある門のうち新宿門で解散です。
家に帰り着くまでが、修学旅行と学校の先生から教わりました。
無事に帰ってくださいね。

新宿WEバスに乗ると、新宿駅西口東京都庁まで大人一人100円で移動できます。
新宿WEバス 概要『新宿をぐるっと! WEバスでGo!Go!!』
新宿WEバス 新宿御苑の時刻表

新宿駅南口も近いので、歩いて駅まで約10分で行くこともできます。
地下鉄新宿御苑前駅も近く、歩いて約5分で着きます。
移動方法の詳細は、新宿御苑のアクセスのページをご覧ください。
新宿WEバス 新宿御苑バス停
新宿WEバス 新宿御苑バス停
新宿WEバス到着。ご乗車ください。
新宿WEバス到着。ご乗車ください。

最後に

「春を探しに新宿御苑に行ってみよう」三部作はお楽しみいただけたでしょうか。
2月から3月の内容として作成しましたが、天候は生ものです。
花の開花などは予想から外れることもあります。
訪問される際は、天気予報、国民協会 新宿御苑のホームページなどで、最新の状況を確認の上、お出かけください。
花などの見頃情報は、筆者の個人サイトでも不定期ですが更新しています。

内容は、取材・撮影日(2013年1月31日)の状況を元に作成しております。
取材・文・写真:しんじゅくノート区民スタッフ 小橋輝雄
西新宿在住。取材・撮影・企業サイト構築・マーケティング活動などをご支援しています。
ホームタウンジャパン http://www.hometownjapan.com/
E-Mail: teru@kohashi.org