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新宿人御用達 名店・名品

〔神楽坂〕廣東名菜 龍公亭

創業100年以上、神楽坂・花柳界のVIPもこよなく愛した中華の名店

2011/08/19

本格中華の基本を守りつつ、日本人に親しいどこか懐かしい味

 新宿・神楽坂。
 
 テレビや雑誌で取り上げられるお店も数多く、美味しいものを提供するお店も多い街ですが、地元の人が“美味しい”とずっと前から思っているお店の情報は意外と届いてこないもの。

 そこで、この「新宿人御用達 名店・名品」のコーナーでは、新宿の地元の皆さんが自信を持っておすすめする名店をご紹介させていただきます!!
 栄えある第一回目にご紹介する名店は、神楽坂の花柳界にも愛された創業100年以上となる中華の老舗「龍公亭」さんです。
廣東名菜 龍公亭
■住所:〒162-0825 東京都新宿区神楽坂3-5
■アクセス:JR飯田橋駅西口より徒歩3分
      地下鉄飯田橋駅B3出口より徒歩2分
■TEL:03-3260-4848
■FAX:03-3269-1748
■営業時間:月~木・土・日 11:00~23:00(L.O.22:00)
      金 11:00~24:00(L.O.23:00)
■定休日:年中無休
こんなカニ玉、見たことない!!<br>シャキシャキとした具の歯触りを楽しみながら優しい餡の味にホッとする芙蓉煎蟹餅
こんなカニ玉、見たことない!!
シャキシャキとした具の歯触りを楽しみながら優しい餡の味にホッとする芙蓉煎蟹餅
パラリと炒められたお米にチャーシュウや卵がよくからむ。本格的で、しかもどこか懐かしい味わい、これぞ老舗の一品。<br>炒飯
パラリと炒められたお米にチャーシュウや卵がよくからむ。本格的で、しかもどこか懐かしい味わい、これぞ老舗の一品。
炒飯
ボリュームたっぷりでアツアツの桂春麵もファンが多い。シェアして食べるのもおすすめ。<br>桂春麺
ボリュームたっぷりでアツアツの桂春麵もファンが多い。シェアして食べるのもおすすめ。
桂春麺
 お料理は、上記写真のカニ玉のような中華の基本を忠実に守りながらも日本人のクチに合うよう洗練された広東料理をはじめ、四代目のオーナーシェフが腕をふるう創作中華まで幅広く味わえるメニューがなんと100品以上。コーヒー・紅茶・中国茶のいずれかがセットになるランチセットも人気です。
 
 明治・大正~昭和初期にかけて、神楽坂は政財界や文化人が集う日本でも一・二を争う華やかな街。花柳界も隆盛を極めていました。そんな政財界の方々が日々味わったのが「龍公亭の中華料理」だったそうです。
 中華料理といえば「中華そば」しかなかった時代。横浜からコックを招き、高級中華料理を出せるお店は「龍公亭」の他にはあまりありませんでした。味に妥協を許さない政財界のお客様を満足させるために試行錯誤をへて出来上がった料理は、上記のカニ玉=「芙蓉煎蟹餅」をはじめ、今も数々のメニューとして残っています。
 
 常連さんの中には中国旅行に行った帰りに龍公亭さんのカニ玉を注文し、「本場の味もいいけど、やっぱり龍公亭の味はホッとする味ですね♪」と喜んで帰る方もいらっしゃるとか…。愛されるお店には愛されるお料理が必ずあるのですね。

創業100年以上、なのに平日はお勤めの人やOL、休日はファミリーでにぎわう幅広い客層

 今から100年以上も前の明治時代に開店しました。当初は、なんと「あやめ寿司」というお寿司屋さんだったそうです。寿司職人の初代・飯田栄吉さんが、時代の流れを察知して、ご自身が経営する「あやめ寿司」の二階で「龍公亭」を開店したのが始まりです。

 いまのモダンな外観、そして店内は近年、リニューアルされたばかり。まるでフランス・パリを思わせる石畳のある坂道、季節ごとに移り変わる街路樹など、四季折々に美しい街並みを眺めることができる二階のテラス席での会食では、会話もはずみ食もすすむと好評です。
 平日は会社勤めの人やOLをはじめ、神楽坂の散策を楽しむ観光客の皆さんに愛され、休日は家族連れでにぎわう守備範囲の広さは、この店内の「ホッ」とできる心地よい雰囲気とお料理の美味しさゆえにこそと納得できます。
白い外壁のモダンな外観には一瞬、中華料理店かと見まがう客もいるとか
白い外壁のモダンな外観には一瞬、中華料理店かと見まがう客もいるとか
二階のテラスでの食事もお客に人気
二階のテラスでの食事もお客に人気
 白亜の外観、洗練された雰囲気がかもし出された店の…これは龍公亭という老舗の伝統といえそうです。創業当初の大正時代にも大理石を使うなど、まるで洋館のようで、今でいうカフェのような外観だったといいます。一階にはお寿司屋さん、二階に高級中華店という時代をかなり先取りしたお店だったそうです。
 伝統を受け継ぎながらも、進取の気風に富む龍公亭。お店の心意気は、そのまま神楽坂地域の心意気にも相通じているといえるかもしれません。

親子三代にわたって通い続ける『龍公亭』ファンも多数、書籍等でも注目されている名店

 新宿区内、しかも同じ場所で、明治・大正から現代に至るまで長い長い時間、代をかさねて飲食業を営んできたお店は数多くはありません。
 
 同じ場所で同じ店が続いているからこそ、親子三代にわたって「龍公亭」を贔屓にしてくださる地域のお客様も数多く、今回の取材にあたり、こんなコメントも寄せられました。
【地元の龍公亭ファンからのコメント】
地元に愛される龍公亭の味
 神楽坂のタウン誌「かぐらむら」編集・発行人の長岡弘志さん
龍公亭は、年配の方と行っても、会社の若いスタッフといっても、あるいは家族で行っても、みんなの期待を決して裏切らない。幅広いメニューが楽しめるお店だ。そこには、百年以上神楽坂で味のうるさい客層を満足させてきた老舗としての味の奥行きといったものが感じられる。
もう一つの大きな魅力は、新装された店内の空間の気持ちよさだ。一人客の時でも、グループの時でも、空間的やすらぎと、個々の視点の自由になる配慮が感じられる。落ち着いた席には、いつも心地よい時間が流れているのである。
創業100年を記念してオーナー・飯田公子さんがまとめた『龍公亭物語り』<br>店頭のみの頒布価格
創業100年を記念してオーナー・飯田公子さんがまとめた『龍公亭物語り』
店頭のみの頒布価格
 長い歴史が流れ、地域に愛されるお店を守りつないできて、さらにこれからの未来を考えつつ、オーナーの飯田公子さんは創業100周年を記念し「龍公亭物語り」を自費出版されました。
 
 100年の歴史を紡いできたお店が大切にしていることと、そして地元・神楽坂の魅力について
 
「時代の移り変わりとともに、街も変貌していきます。そうした変化の中でここ“神楽坂”という土地に根を下ろして今までやってこられたのは、地域の皆さんに支えられてきたからこそ。
 “神楽坂”という街は、おせっかい過ぎず、つめたすぎない“大人の遊びゴコロを満たす街”です。
 そんな粋な文化を、“神楽坂”というと和のイメージにとらわれがちですが、もっと視野を広げて皆さんに知っていただき、そして感じていただきながら、次世代につなげていければと思っています」
 
…とお話してくださいました。
 
 神楽坂を堪能するなら是非「龍公亭」に足を運んで、“神楽坂の味”を味わってみてはいかがでしょうか。
※取材時の情報です。変更となっている場合もございます、ご了承ください。