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新宿人御用達 名店・名品

〔早稲田〕野田屋酒店

地ビール、焼酎、日本酒からサイダーまで早稲田オリジナルも揃う酒屋さん

2013/09/24

3代目の姉妹が切り盛りする、銘酒が並ぶ酒屋さん

歩道からも珍しい品揃えがよく見えて、立ち寄ってみたくなる
歩道からも珍しい品揃えがよく見えて、立ち寄ってみたくなる
早稲田駅から徒歩5分。早稲田大学の正門からまっすぐ伸びる早大通り沿いにこじんまりとした酒屋さんがあります。今回は『わせだ魂』という手書きのポップをはじめ、『地ビール早稲田』の真っ赤なのぼり旗などが目にとまり、思わず店内に引き込まれそうな「野田屋酒店」さんをご紹介します。
交差点を越えて進むと、ほどなく早稲田大学の正門へ
交差点を越えて進むと、ほどなく早稲田大学の正門へ
「野田屋酒店」さんは、明治生まれの初代が浅草の酒店で修行をした後、昭和5年に暖簾分けというかたちで開業しました。現在は、81歳になる2代目の古川義春さんが社長を勤め、その奥様沙智子さんと、3代目となる三姉妹の長女智恵子さん、三女の友子さんが、店内から配達までを切り盛りしています。明るくておしゃべり好きな姉妹が、口をそろえて「個人経営の酒屋を続けるのは難しい時代ですが、家族で協力しながら頑張っています」と、笑顔でお話ししてくださいました。
野田屋酒店
■住所:東京都新宿区早稲田鶴巻町519
■アクセス:東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩5分
■TEL:03-3203-7256
■営業時間:9:00~21:00
■定休日:日曜、祭日
■ホームページ:http://www.nodaya-sake.co.jp/

日本各地の酒蔵から直送される、日本酒と焼酎がずらり

1本ずつ説明を聞きながら飲み比べてみたくなる、バラエティ豊かな焼酎
1本ずつ説明を聞きながら飲み比べてみたくなる、バラエティ豊かな焼酎
店内をぐるりと見渡すと、他では目にしたことのない日本酒や焼酎等、そしてその特徴を紹介するポップがところ狭しと並んでいます。

「これは、焼き芋のような甘い香りが人気の『飫肥杉(おびすぎ)』という宮崎の芋焼酎。飫肥というのは地名です。こちらの『原酒 紅一点(こういってん)』は、樫の木の樽で熟成させているのでシェリー酒のような風味が楽しめます。焼酎って普通は透明なんですが、これはグラスに注ぐと黄金色なのがわかりますよ。そっちの『鳥飼』というのは、知る人ぞ知る有名な米焼酎。この蔵だけの独特な酵母を使用していて、甘いケーキのような、日本酒のような、他の米焼酎にはない風味です」
ラベルを見比べているだけでも興味深い、貴重な日本酒の数々
ラベルを見比べているだけでも興味深い、貴重な日本酒の数々
「こちらに並んでいる日本酒だと、『吉乃川』はご存知の方も多いかと思いますが、ここにある『極上 吉乃川』は、酒蔵と特約していないと仕入れることができないんです。それも月に何ケースって決められているんです」と、智恵子さんが次から次へと並んでいる商品の説明をしてくれました。
これら酒蔵からの直送でないと手に入りにくく入荷数も限られている銘酒は、「◯◯というお酒は手に入らないか?」とか、「料理屋で飲んだ◯◯がとても美味しかった。また飲みたいので仕入れてほしい」というお客様からの要望に応えて、問屋や蔵元に問い合わせていくうちに増えていきました。
「数を造っていないので卸せない」と、販売を断られることもあるといいます。「量産してしまうと品質が落ちてしまうから仕方ないんです」と、智恵子さんが酒蔵の事情まで教えてくれました。

野田屋ブランドの焼酎と日本酒『わせだ魂』

店に入ると、まず目に留まる『わせだ魂』ののぼり旗
店に入ると、まず目に留まる『わせだ魂』ののぼり旗
ここ「野田屋酒店」さんでしか手に入らないのが、『わせだ魂』シリーズ。焼酎と日本酒それぞれ「これは美味しい!」と感銘を受けたものをオリジナルのラベルで販売しています。

日本酒では、長野県の標高1000メートルの酒蔵で醸造された『純米吟醸 わせだ魂』と、三重県鈴鹿の酒蔵で造られた『特別純米 わせだ魂』。同じく鈴鹿の蔵で醸造された芋、米、麦の焼酎3種。

長年多くのお酒を飲み比べてきた酒好き姉妹の舌をうならせたものだけが、『わせだ魂』のラベルをまとっているのです。
「麦焼酎は、樫の木の樽で貯蔵しているので、ウイスキーに似た香りを楽しめます。ぜひ飲んでみてください」と、智恵子さん。
日本酒、焼酎ともに各種類大小2サイズあるので、気軽に複数購入することもできる
日本酒、焼酎ともに各種類大小2サイズあるので、気軽に複数購入することもできる
その他、早稲田大学周辺商店連合会がプロデュースする『地ビール早稲田』、早稲田大学と京都大学が共同開発したビールと発泡酒『ホワイトナイル』『ブルーナイル』『ルビーナイル』も、冷蔵ケースに並んでいます。
これら「わせだ」と名のつくものは、早稲田大学のOB会や同窓会、学生達の帰省土産にもよく利用される「野田屋酒店」さんの人気商品です。
大麦100%のピルスナータイプ『地ビール早稲田』は、フレッシュで爽やかな飲み口
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京都大学に保存されていた古代種エンマ-小麦が早稲田大学の吉村教授と出会ったことにより誕生した『ナイルビールシリーズ』
京都大学に保存されていた古代種エンマ-小麦が早稲田大学の吉村教授と出会ったことにより誕生した『ナイルビールシリーズ』
レトロな鉄腕アトムがかわいい『十万馬力新宿サイダー』
レトロな鉄腕アトムがかわいい『十万馬力新宿サイダー』
鉄腕アトムが生まれた科学省があるという設定になっている新宿区の商店会連合会が『十万馬力新宿サイダー』を販売していて、「野田屋酒店」さんがその取扱店の一つだと伺っていたのですが、残念なことに取材当日は、在庫がありませんでした。

気になるお味は……。
「すだちを使っているので、甘すぎず、とても爽やかです」
鉄腕アトムが描かれている瓶が欲しくて買いに来た人が「美味しかった」と言ってリピーターになることも少なくないとのこと。
※製造している工場の都合で、製造再開は2013年10月予定。

地元のお祭りでは、子どもたちに「振る舞いジュース」を

お祭りになると、「野田屋酒店」さんの前の広めの歩道を神輿がねり歩く
お祭りになると、「野田屋酒店」さんの前の広めの歩道を神輿がねり歩く
ここ早稲田鶴巻町は、地元の小学校が廃校かとささやかれるほど人口が減少したこともありましたが、最近はマンションが増え、子どもの数も増加しています。
「お祭りの時は、店の前をお神輿が通ります。子ども神輿の休憩場所にもなっているので、元気な子どもたちにジュースを振る舞うのが恒例の楽しみです」と、智恵子さん。

子どもの数が増えても、休日は習い事などで忙しく、お祭りの参加人数が増えなかった際、当時の校長先生の計らいで土曜日を登校日にして「お祭り参加体験」を学校行事にしたこともあり、今も子ども神輿の伝統は途絶えることなく受け継がれています。

本当に美味しいお酒を知ってほしい

左から、三女の友子さん、2代目の奥様沙智子さん、長女の智恵子さん
左から、三女の友子さん、2代目の奥様沙智子さん、長女の智恵子さん
近くに早稲田大学があるので、イベントなどの打ち上げ用にビールを買いに来たり、楽屋見舞いや贈り物などにお酒を選びに来る若者もいます。
「最近の若い人は、のしの書き方も知らなくて『名前は?』と聞くと、贈り先の方の名前を教えてくれたりして(笑)」
のしは名刺代わりだから、自分の名前を書くのだということを教えたり、結婚祝いののし紙は、他のお祝いとは違うと、教えることもあるとか。

「若い人にも本当に美味しいお酒を知ってもらいたいです」と、智恵子さんと友子さんは、口をそろえて言います。

「お酒は嗜好品。お客様の好みに合ったお酒を探すお手伝いをしますよ」というおふたりの笑顔が印象的でした。

「わざわざ買い物に出かけたくなるお気に入りの酒屋さんがあると楽しいかも」と思わせてくれる「野田屋酒店」さん。ぜひ一度訪れて、お気に入りの銘柄を見つけてみてはいかがでしょう。
※取材時の情報です。変更となっている場合もございます、ご了承ください。