今回の「新宿人御用達　名店・名品」のコーナーは、「文具の大黒屋」さんをご紹介します。都庁を始め多くの超高層ビル群がそびえ立つ、日本最大級のオフイス街である西新宿のオフィスワーカー御用達の文具専門店で、丸ノ内線西新宿駅に直結しているアイランドタワー1階にあります。
「文具の大黒屋」さんの魅力は、オフィス街という立地を踏まえて筆記用具、パソコン関連商品や事務用品、印鑑類などの実用的なビジネス用品、更には、働くお父さんお母さんのために、お子さん向けの学童用品までずらりと並ぶ品揃えの豊富さ。
「お店に来て下さるお客様のニーズにしっかり対応していくことを心がけています」と言うのは、3代目社長の鈴木一夫さん。
そして奥様の鈴木久代さんを始め、とびっきりの笑顔と明るくハキハキとした受け答えが素敵な女性スタッフが接客をしています。
そんな大黒屋さんは、消費者の投票により、平成22年度「『金賞』新宿区商店会連合会推奨」表彰店として選ばれました。豊富な商品ラインナップと、お客様一人ひとりに合わせて商品説明をする、アットホームな雰囲気の温かさが伝わるお店です。

「文具の大黒屋」さんの魅力のひとつは品揃え。取り扱っている商品の総数はおよそ3万点。総アイテム（種類）数は、1万5千点と驚くほどの豊富さです。
「新しい商品やこだわりの文具の品揃えはどこにも負けません」と鈴木社長。

特にビジネスシーンでニーズの高い認印は、3000本からスタートし、現在は1万200種類。なんと日本の名字の96％に対応しているそうです。まさに新都心を支える文具店ならではの特色ですね。
他にも、のし袋は60種類、レターセットは50種類、筆記用具類は200種類。お客様が手に入れたいと思う商品をいち早く店頭に並べているそうです。
商品は、オンラインで管理され、在庫状況などもすぐわかるようになっています。現在は大ヒット商品となっている消せるボールペン、大黒屋さんでは4年前の販売当時からいち早く取り扱っている商品です。
品揃えと商品知識の豊富さはさすが新宿人御用達。文具店としてオールマイティなお店です。

「文具の大黒屋」さんは、多くの女性に支持されている文具店でもあります。
女性には嬉しい可愛いデザインのグリーティングカードや手書きの良さを伝えるレターセット、そして会社での事務用品を買うついでに、つい買いたくなるキャラクター付き筆記用具やカラフルなカード入れなどのギフトや日用雑貨も取り揃えられています。
可愛い装飾がなされている商品から斬新なデザインまで、ズラリと並んだ商品ラインラップはさすが文具専門店。「新しい商品をいち早く店頭に並べるよう、情報収集と商品知識を怠らず行っています。見るだけでも楽しいお店ですよ」と鈴木社長。
女性のハートを掴む仕入れには、奥様の女性ならではの視点が活かされています。

「色々な世代のお客様をイメージして商品を仕入れています。付箋紙などは動物の形をしている物を取り入れたり、可愛い装飾の筆入れなど、使いやすさはもちろんですが、和風から洋風の物まで、見て楽しく使って便利な商品ラインナップを心掛けています」と奥様。そしてお客様からのお問い合わせに対応するため、日頃から幅広い文具の知識を身に付けることにも努められています。
「お客様は同じノートやペンを使い続けておられる方が多く、ワンパターンになりがち。ペン1本お探しでも、ほかのメーカーの書き味の良い物をご案内したり、いつも使っているノートの様々な使い方など丁寧に説明しています」と奥様が語っておられるように、あらゆる年代の方が欲しい商品を並べるための様々な工夫と、大型店にはないきめ細やかな心配りが、地域に愛され続けている理由です。

大黒屋さんの創業は、昭和2年の3月、お祖父さんの時代でした。初めは大黒堂という洋服屋さんからスタートし、その後ビリヤード、甘味処、日用雑貨店と、新宿の街の変遷とともに業態を変えて営んでこられたそうです。
創業当時は、青梅街道沿いの成子坂商店街にお店がありました。鈴木さんが子どもの頃の西新宿は、遊び場も多く緑もいっぱいだったそうです。
戦後に再開発が始まり、日本を代表するオフイス街へと急速に変貌していった西新宿。住む人が減りお勤めに通う方が多くなりました。15年前アイランドタワーが出来たことをきっかけに、オフイス街の文房具専門店としてオープンしました。
鈴木さん自身が地元ご出身ということもあり、氏子である成子天神社のお祭りや学校の育成会、消防団や地域の防犯活動にも積極的に参加。大黒屋として協賛もされています。街の姿が大きく変わっていく中にあっても、古いおつきあいも大切にし地域密着のお店としても活動されいます。
「西新宿でお店をやっているというと、スゴイところで商売されてますねと驚かれることも多いのですが、昔からこの場所で育った自分には、いつもの生活の場所なんです。ご近所さんにも暖かく見守られて育ったので、みんなが親のようなものですしね」