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神楽坂のツボ

石畳に響く三味の音色~後編~

神楽坂散策

2010/12/09

というわけで、この小道を辿ってみます。気分は、お座敷に向かう芸者さん。「○○はん、急がないと、遅れまっせ!」「すんまへん、姐さん、うち鼻緒が切れてしもて」(何弁?)
通りを挟んで稽古場の向いにある細い路地。石畳が続いています。
通りを挟んで稽古場の向いにある細い路地。石畳が続いています。
加賀生麩割烹の前田さん。
加賀生麩割烹の前田さん。
右手にさっそく、割烹料理屋さんが。真っ白なのれんと黒い垣根のコントラストがきれいです。向い側には普通のお宅っぽい裏門がありますが、中を覗くと、ガラス壁越しに、和装小物の類いに囲まれて立ち働く和服姿の男性が見えました。お店でしょうか? ともあれ、割烹の先を右手に折れて、路地はまだまだ続きます。
右手は割烹の板塀。路地は下り坂に。
右手は割烹の板塀。路地は下り坂に。
和風の建物の下に洋風の住所標識。不思議と似合ってます。
和風の建物の下に洋風の住所標識。不思議と似合ってます。
こちらもイタリアン。もう、イタリア共和国になっていますね。
こちらもイタリアン。もう、イタリア共和国になっていますね。
ヨーロッパ中世の城みたいなブティックの扉。堅牢そう。
ヨーロッパ中世の城みたいなブティックの扉。堅牢そう。
何やら、「陽暉楼」から「ゴッドファーザー」の気分になってきました。「ボナセーラ、ボナセーラ~」(夜じゃないけど)。おや、窓縁に、イタリア人街にふさわしいカラフルな3人組がいます。よく見ると、3羽のインコが、なぜかバナナやらリンゴを持っておどけていました。「どこに行くんだい?」「ちょっとそこまで♪」
「どこに行くんだい?」
「どこに行くんだい?」
振り返ると、こんな感じです。
振り返ると、こんな感じです。
坂を下りきったところ。途中、うどん会席で有名な別亭鳥茶屋があります。
坂を下りきったところ。途中、うどん会席で有名な別亭鳥茶屋があります。
夕暮れて、八百屋さんの電球にも灯がともりました。
夕暮れて、八百屋さんの電球にも灯がともりました。
突き当たりに八百屋さんがあったので、おじさんに坂の名前を尋ねてみました。「あの、ちょっとすいませんが、この坂の名前は?」「さあ、わからないな」「…」。後で調べてみると、すぐそばの銭湯「熱海湯」に因んで、「熱海湯階段」(または「芸者小道」。おおっ!)と呼ぶことがわかりました。ちなみに、神楽坂人気に一役買ったテレビドラマ「拝啓父上様」で、主人公の一平(嵐の二宮和也)とヒロインのナオミ(黒木メイサ)が出会った坂だそうで。おじさん、「熱海湯階段」ですよ!!

路地探検を終え、神楽坂通りに戻ると、あたりは夕暮れ。通りに面したお店が薄暗に浮かび上がり、きれいです。あ、そういえば、ここは、和装の男性が働いていた建物の表側。中を覗くと、先ほど見た和装小物や履物などが並んでいるので間違いありません。看板には「老舗 助六」の江戸文字。合点がいって、今日の探索は終わりです。

神楽坂に関する書籍紹介