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神楽坂のツボ

手作り惣菜のお店 万弥

まちの人に愛され続ける味

2013/12/04

3代目ご主人の栗山昭彦さんと、息子さんで4代目の幸雄さんにお話を伺いました。

家族で営んでいます。

 牛込神楽坂の早稲田通りにある惣菜屋さんです。惣菜やサラダ、生のそば・うどん、珍味などが置いてあります。店内には約20種類の色とりどりのお惣菜がずらりと並び、目移りしてしまいます。店先での小売りに加え、冠婚葬祭、会社のパーティ、新年会、忘年会、家庭からの仕出し注文といった様々な要望に応えています。

 お店で働いているのはみんなご家族というこちらのお店。
 お店ができた経緯を訪ねると、「うちの母親が、“万弥”という果物屋と、蒲田の方で惣菜屋を営んでいました。 戦争で焼けてしまって、母の実家のあった神楽坂に改めて今のような惣菜の店を出しました」(昭彦さん)とのこと。
 店頭のお惣菜は、厨房にいらっしゃるお2人が全て作っているのかと思い尋ねると、全員が交代で店番と調理をなさっていて、それぞれの担当メニューもあるそう。


素材へのこだわり、そして“マイペース”であるということ。

 おすすめのメニューは、時期的には八ツ頭煮(八ツ頭とは里芋の一種で、肉質がしっかりしていて煮ると粘りが少なくほくほくした食感が楽しめる)と、かぼちゃ煮。かぼちゃ煮に使用しているかぼちゃは、新潟県の妙高高原の農家と契約している、無農薬のもの。

 全ての惣菜が無添加で、素材を仕入れたその日のうちに作るというのがこだわりです。「保存料とか着色料とかは一切使ってないし、仕入れる材料も吟味して仕入れてる。やっぱりうちのうりなもんで。原則として国産にこだわってるんです」(昭彦さん)

 「今後、お店の規模を大きくしたいといったお考えはありますか?」という問いには、「チェーン店とかになって大量生産とかすると、機械で調理しないといけなくなっちゃうからね。自分ちの手作りを売りにしてるから。他のお店のことは気にしない、マイペースで。アナログ人間なんだよ、結局ね。そういうのが良いっていうお客さんがうちに来てくれるから」(幸雄さん)という素敵な答えが。お客さんのことを第一に考えた素敵なこだわりが、長く愛されてきた秘訣なのでしょう。

神楽坂というまち。

 お店に来るのは神楽坂近辺に住んでいる人が一番で、主婦や一人暮らしの方など。「お年寄りの方とか買いに来るんですよ。和食が食べたいから。ヘルパーさんが買っていってあげたりね」(昭彦さん)
 神楽坂に会社のある方が買って帰ったり、観光客が寄ったりと様々。
 食事を摂る時間が限られている、且つ不規則な美容師の方にもありがたいお店です。

 神楽坂というまちについて思うことを尋ねると、「私はここでもう67~8年いるんだけど、昔の雰囲気がだんだん消えていってるね。新しくなっちゃったからね。でも若い人が多くなったよね、お客さんでね。それからいろんなとこからフランス料理屋さんやレストランに食べに来る人が多いね。昔は料亭さんに来る人が多かったけどね」(昭彦さん)。どれだけまちが変わってゆこうと愛され続けてきたこちらのお店。これからもそのこだわりと温かい家庭の味で、末永く愛され続けてゆくことでしょう。


昭彦さん、幸雄さん共に明るく朗らかな人柄で、笑顔に癒されました。
私たち現代人は、コンビニエンスストアの菓子パンやおにぎりで食事を済ませたり、ファストフード店での食事が多くなったりと、栄養が偏りがちなので、こういった手作りの栄養たっぷりのお惣菜を食べたいものですね。お店の方の温かい人柄に、身体だけでなく、心も癒されますよ。
しんじゅくノート学生記者  山田 育代
万弥
【住所】〒162-0825東京都新宿区神楽坂6-18
【アクセス】東京メトロ東西線神楽坂駅より徒歩3分
【TEL】03-3260-3020
【営業時間】11:00~20:30
【定休日】日曜、祝日