神楽坂のツボ
ギャラリーとカフェの融合! ART GALLEY KAGURAZAKA (アートガレー 神楽坂)
2013/03/19
滝田さん(左)とオーナーの田島さん(右)
神楽坂の長い坂道を登っていき、赤城神社を超えたあたり、ちょうど神楽坂の頂上といえるところにアートガレー神楽坂がありました。
ビルの地下に位置するアートガレー神楽坂は、どこか西洋的な雰囲気が漂っていて、しかし神楽坂の昔ながらの町並みにもうまく溶け込んでいるように思いました。
お話をしてくださったのは、アートガレー神楽坂のオーナー、田島司(たじまつかさ)さん、そしてその日に作品を展示していた常連の滝田勝俊(たきたかつとし)さん。二人ともとても陽気で優しい方でした。
ギャラリーとカフェの融合! ART GALLEY KAGURAZAKA
アートガレー神楽坂はただのアートギャラリーではありません。ギャラリー内にカフェが併設されているのです。
絵を見ながら、コーヒーを飲んで一服できるという、新しいスタイルのアートギャラリーといえるでしょう。
クラシックの名曲が流れるカフェ、白を基調とした60坪の開放的な空間、そしてそこに展示されている数々の作品。 入場料はかからず、時期によってさまざまな作家さんの作品を鑑賞することができ、さらにおいしいコーヒーを飲むこともできて、 思わず通ってしまうようなギャラリーです。
ギャラリー内にカフェが併設されています。
コーヒーを飲みながら、ゆったりとした空間を楽しむことができます。
ART GALLEY KAGURAZAKAのこれまで
そもそもどうしてアートガレー神楽坂ができたのでしょうか。実は上の階に島さんの経営するデザイン会社が入っており、地下の物件が空いたので購入したのだそうです。そこで田島さんはなにやろうかと考えをめぐらし、自分の作っているペーパークラフトのモデルを飾りお披露目したいと思いつきました。しかしそれだけではお金がかかるだけで利益がでないので、画廊を始めようと思ったそうです。
「入り口がこういう形になってるから、店をやるときにはそういう雰囲気はできてたんだよね。なにやろうかって考えたときに、レストランでも洋服屋さんでもなく、画廊っていう選択肢が一番かっこいいじゃん?」と田島さん。
そして2010年8月に開設。2周年を過ぎました。画廊経営は3年かかるといわれているように、今は経営が厳しくても、これからさまざまな試みが行われるそうです。
ART GALEEY KAGURAZAKAの新たな挑戦
田島さんは、このスペースを画廊という目的に留めたくはないそうです。画廊以外にもゲストを呼んでのトークセッション、朗読会など、さまざまな試みがなされています。またチャリティー写真展を開き、集まった参加費をUNESCOに寄付するなど、社会貢献活動にも積極的です。震災から1年ちょっとたって、人々の心の中から震災があったという事柄が風化してしまってはならないという田島さんの思いから、作品を南相馬市、福島市でも展示したそうです。
また今後注目していきたいのが、定期的に開催されるというワークショップ。アートガレー神楽坂は、田島さんの得意とするペーパークラフトをはじめ、神楽坂にゆかりのある、その分野の達人を呼んでさまざまなワークショップを開くことを計画しています。画廊だけだとお客さんの年齢層が必然的に高く、また地元の人が多いそうです。これからは若い人もターゲットに含めた試みが行わなければやっていけません。
しかし問題は、若い人、また地元民以外の人は神楽坂の上のほうまでなかなか上ってこないという点だといいます。
「思いつきでやってるだけ。あれがいいこれがいいっていうのは趣味の範疇に入っていっちゃうから、最初はとにかくいろいろやって、そのうち勝手に方向性が決まってくるんじゃないか。だから絵画ばかりにこだわらずにみんなのニーズにこたえたい」とおっしゃる田島さんの言葉の通り、このギャラリーから何かを発信して、これからは若者にも、そして地元民以外の人にも利用してもらえるようなさまざまな企画が行われることが期待できるでしょう。
しんじゅくノート学生記者 東 祐太