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神楽坂の達人

神楽坂 宝龍/田上進さん

2010/04/30

神楽坂でお店を営んでいる方や神楽坂の在住者のお話を伺いながら、神楽坂の魅力をお伝えする「神楽坂の達人」。

第5回目は東西線神楽坂駅から徒歩1分、早稲田通りに面した中華料理店、神楽坂宝龍田上進(たがみすすむ)さんのインタビューをお届けいたします。

お店のこと、田上さんご自身のことについて伺いました

神楽坂宝龍がオープンしたのはいつ頃でしょうか?

昭和25年です。今年でオープンして60年余り経ちます。

60年!歴史あるお店ですね。田上さんで何代目になるのですか?

私で2代目になります。
この看板と入口の真っ赤なドアが目印です。
この看板と入口の真っ赤なドアが目印です。
真っ赤なドアの前に田上さんに立っていただき撮影。
真っ赤なドアの前に田上さんに立っていただき撮影。
店内は落ち着いた雰囲気です。
店内は落ち着いた雰囲気です。
お店の外観です。早稲田通りなのですぐにわかります。
お店の外観です。早稲田通りなのですぐにわかります。

昭和25年だと、中華料理も今程一般的ではなかったのではないですか?なぜ中華料理を始めようと思ったのでしょうか。

その通りです。当時はまだ中華料理は珍しい料理でした。珍しいがゆえにその調理方法を学ぼうという意識があったのだと思います。私の父は戦前に浅草の五十番(中華料理店)で働いていまして、その後は銀座の中華料理店でチーフをして色々な勉強・経験をさせていただき、独立して神楽坂で中華料理店を始めました。

なるほど。田上さん自身が料理人になろうと思ったきっかけは、やはりお父様の影響が大きいですか?

そうですね。父の仕事を見て、父を師として料理人を目指しました。

お店を営むにあたって大切にしていることはありますか?

誠心誠意、お客様に美味しいものを作って提供することです。

これから宝龍に行こうと思っている人のために、お店のおすすめメニューをいくつか教えていただけますか?

上海やきそば。酢豚。麻婆ライス。それにジャンボシューマイが特におすすめです。
ランチセットの酢豚。酢豚のほかに焼き飯とスープ、ザーサイ、ジャンボシューマイがついていてボリューム満点。
ランチセットの酢豚。酢豚のほかに焼き飯とスープ、ザーサイ、ジャンボシューマイがついていてボリューム満点。
酢豚に接近。ほどよい酸味が食欲をそそるんです。あー、食べたくなってきました。
酢豚に接近。ほどよい酸味が食欲をそそるんです。あー、食べたくなってきました。
名物、ジャンボシューマイに接近。後方のグラスと比べても大きいのがわかります。
名物、ジャンボシューマイに接近。後方のグラスと比べても大きいのがわかります。
箸で割ってみたところ。具(肉)がぎっしり。美味しいんです。
箸で割ってみたところ。具(肉)がぎっしり。美味しいんです。

ジャンボシューマイは私もいただきましたが本当に大きいですよね。勿論、味もジューシーで美味しいですが。

ありがとうございます。ジャンボシューマイは宝龍にいらしたら、是非ご賞味いただきたいです。ランチメニューでも、お気軽にお楽しみいただけますし、テイクアウトでお土産としてお持ち帰りいただくこともできますので。

お店の味は、ずっと変わらないものですか?

基本的なものは変わっていないつもりです。ただ、時代時代によっては人々の嗜好も変わってきますので、根本は変えなくともそういったものは試行錯誤しながらも取り入れたりします。

例えば、最近は脂っこいものよりさっぱりしたものが好まれる時代ですよね。以前であれば、炒め物にはラードを使っていましたが、脂分を控えたものに変えたりとか。そういう工夫はしています。

なるほど。個人的にはチャーハンなどもラードの方が美味しいと思うんですけどね。色々と試行錯誤があるんですね。お店を続けてきて苦労された時期とかありますか?

世間一般そうだと思いますが、リーマンショックの影響以降、今最も厳しいと感じています。あとは、神楽坂周辺もお店が増えたのでお客様の選択肢が増えたというのも影響がありますね。選択肢が増えることは、お客様にとってはいいことなのですが。

逆にお店を続けてきてよかったと思うことは何でしょうか?

家族に恵まれ子供を育ててこれたことですね。

神楽坂について伺いました

神楽坂に住んでいて昔と今とで変わったと思うことはありますか?

みなさん感じていることですが人が増えましたね。土日は特にリュックや地図を持って来る観光客が増えました。地域に関していえば昔の方が近所付きあいみたいなものがあったように思います。昔は子供同士もみんなでよく遊んでいたと記憶していますから。

神楽坂の魅力は何だと思いますか?

神楽坂自体に多種多様なお店があることは勿論ですが、在住者の視点で言いますと、都心のどこに出るにしても同じ距離なのが便利という点ですね。

普段、周辺でよく利用するお店があれば教えてください。

大久保通りにある三宝という焼肉店にはよく行きます。

神楽坂へ遊びにくる人に、おすすめの過ごし方をご紹介ください。

とにかく散策してみることですね。粋いき逸品神楽坂という地図も配布されていますので、そういったものを見ながらでもいいですし、あてもなく色々な路地に入り込んでみるのもいいと思います。

最後に田上さんご自身の今後の目標や抱負をお聞かせください。

通信教育で法律を学ぼうと思っています。過去に必要と感じたときに、まったくその知識がなかったもので。

厨房に立つ田上さんを撮影。
厨房に立つ田上さんを撮影。
このインタビューの前に田上さんとは何度かお会いする機会がありました。お店にも伺ったことがありましたので、料理人としての顔も少しだけ拝見したことがあり、非常に温厚な方という印象を持っていました。今回、インタビューをさせていただいて、伝統・看板を守りながらも時代の流れを吸収して前に進んでいこうとする力を感じました。
誠心誠意。私も肝に銘じたいと思いました。今回はありがとうございました。 
神楽坂宝龍の紹介ページ