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神楽坂の達人

神楽坂梅花亭/井上豪さん

2010/02/23

神楽坂 梅花亭の井上豪さんに伺いました

神楽坂通りに面した梅花亭。
神楽坂通りに面した梅花亭。
神楽坂でお店を営んでいる方や神楽坂の在住者の目を通して、神楽坂の魅力をお伝えする「神楽坂の達人」。

第3回目は神楽坂通りに面し、いつも賑わっている和菓子店、神楽坂梅花亭井上豪(いのうえたけし)さんのインタビューをお届けいたします。

創業75年目を迎えた梅花亭について

創業したのはいつ頃でしょうか?

井上さん:
1935年(昭和10年)の創業になりますので、今年で75年目になります。創業したのは2月20日ですので、つい最近75年目を迎えました。

長いですね。長い歴史の中で色々なことがあったとは思いますが、お店を続けてきてよかったと思うことはありますか?

井上さん:
沢山のお客様にお越しいただいて、梅花亭のお菓子をお買上げいただいて『美味しい』と言ってくれることにつきますね。美味しいと言ってくれたお客様が、何度も足を運んでくださったり、知人に広めてくださったり。お客様に育てられてここまで続けてこれたと思います。
煎餅(あられ)やギフト用の商品もあります。
煎餅(あられ)やギフト用の商品もあります。
最近の人気商品。無添加にこだわり、保存料も使用していないのが美味しさの秘訣。
最近の人気商品。無添加にこだわり、保存料も使用していないのが美味しさの秘訣。

梅花亭は元々、神楽坂にお店を構えていらしたのですか?

井上さん:
元々は池袋にありまして。神楽坂ではこの近くの場所に5年前に支店を開きました。少しして、神楽坂という場所がとても気に入りまして。思い切って拠点を池袋から神楽坂に移そうということになり、一昨年にこの場所に本店を移しました。今現在はここ神楽坂と有楽町の交通会館に店舗があります。

池袋と神楽坂の違いは何でしょうか?

井上さん:
神楽坂の方が、和を意識していらっしゃるお客様が多いと感じています。街そのものが、非常に昔ながらの面影を残していますので、そういう方々が集まるのだと思います。

神楽坂の魅力を語っていただきました

池袋から拠点を移すまでに至った神楽坂の魅力とは何でしょうか?

井上さん:
日本人の持っているノスタルジーを刺激するものが沢山集まっている場所ですね。大通りだけではなく、路地を入ったところの風景や粋なお店、昔ながらのたたずまいが他の場所にはない神楽坂の魅力だと思います。
寿司や丼物を和菓子で再現したもの。限定数のため、早いうちに売り切れになることも。
寿司や丼物を和菓子で再現したもの。限定数のため、早いうちに売り切れになることも。
名物のひとつ、鮎の天ぷら最中。
名物のひとつ、鮎の天ぷら最中。

最近、テレビや雑誌でも取上げられる機会が多く、沢山の観光客も訪れている神楽坂ですが、課題として感じることはありますか?

井上さん:
神楽坂に住んでいる人、お店をしている人と、神楽坂を訪れる方のギャップがまだあるように感じています。訪れる方が求めているものを提供する、または訪れる人に神楽坂はこういう街なんだよという情報を発信していくことでギャップを埋めていけば、もっと街全体が発展できると思います。

梅花亭が大切にしているものについて

梅花亭がお店を続けてきた中で、大切にしていることはありますか?

北海道小豆を使用して自家製で餡を作るこだわりから数々の銘菓が生まれています。
北海道小豆を使用して自家製で餡を作るこだわりから数々の銘菓が生まれています。
井上さん:
美味しいものを手作りで、安全に気を配りながら提供することです。「安心、安全、観て楽しく、食べておいしい」を創業以来のモットーとしていますので、それだけは時代が変わっても守り続けていきたいです。

店内を拝見しますと季節を感じさせる和菓子が沢山ありますが、新しいお菓子はどんなときに考案するんですか?

井上さん:
路を歩いているときに花の蕾を見たとき、何気ない街の風景を目にしたとき、自然と目に入ってきたものの中にヒントが隠れていて、ふっとイメージが浮かんで作ることが多いです。まもなく桜の時期ですので、桜の形や色をイメージしたお菓子も多いです。

今年の抱負をお聞かせください。

井上さん:
もっともっと街に根付いた和菓子屋になりたいです。

よく利用するお店を伺いました

神楽坂を訪れるときの参考として、井上さん自身がよく利用するお店を教えてください。

お赤飯は専用の箱も用意されていてお祝い事にも喜ばれています。
お赤飯は専用の箱も用意されていてお祝い事にも喜ばれています。
井上さん:
ちゃんこ鍋で有名な黒潮さん、懐石料理のしふくさんです。黒潮さんは繊細なスープの味が魅力、しふくさんは季節の素材をいかした懐石料理が楽しめます。

仕事場の井上さん。和菓子と対話しているような姿が印象的でした。
仕事場の井上さん。和菓子と対話しているような姿が印象的でした。
いつも人が絶えないお店という印象のある梅花亭。和菓子の定番といえるものから、その時々の季節や神楽坂という街をテーマにした創作和菓子まで、暖簾をくぐるとそこには常に懐かしさと新しさがいいバランスで同居している。

食の安全、安心にこだわり、かつ見た目にも美しい和菓子の根底にあるものは、作り手の優しさではないかと思う。井上さんを始めとするスタッフの思いがつまった梅花亭の和菓子。神楽坂へ行ったときには気軽に足を向けてほしいお店です。今回はお時間いただきましてありがとうございました!
梅花亭の紹介ページ