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新宿ものづくりマイスター 技の名匠

平成27年度 新宿ものづくりマイスター「技の名匠」認定式

新たに畳製造、浸染、印章彫刻、活版印刷の4名の「技の名匠」が新宿区に誕生

2016/01/20

 新宿区のものづくり産業のさらなる発展を目指してスタートした「新宿ものづくりマイスター制度」。平成20年度(2008年度)から始まった認定制度も、新たな4名の「技の名匠」認定で合計41名のマイスター誕生となりました。

平成27年度 新宿ものづくりマイスター認定者
お名前 業種 工房
水野 功一 さん 畳製造 水野畳店
宇佐美 隆三 さん 浸染 宇佐美捨染工所
岡本 尚也 さん(号:尚山) 印章彫刻 岡本印房
佐々木 精一 さん 活版印刷 有限会社佐々木活字店

認定式

吉住健一新宿区長 開催のご挨拶
吉住健一新宿区長 開催のご挨拶
 吉住健一新宿区長から「認定制度を通して優れた技術が広く知られ継承されると共に、ものづくり産業への関心が高まり、さらに発展することを期待しております」というお話がありました。各マイスターの方に、お一人ずつ「技の名匠」の楯が授与されました。「新宿区優良企業」の表彰式も合同で行われ、こちらは6名の優良企業が表彰されました。
記念写真 4名の新しい「技の名匠」の皆さんと新宿ものづくりマイスター認定審査委員長の平野拓夫さん(中央左)、吉住健一新宿区長(中央右)
記念写真 4名の新しい「技の名匠」の皆さんと新宿ものづくりマイスター認定審査委員長の平野拓夫さん(中央左)、吉住健一新宿区長(中央右)

懇談会

展示を前にお話しが弾みます。
展示を前にお話しが弾みます。
 懇談会は「新宿区優良企業」の代表者の方々と合同で行われ、仕事内容や技術についてご説明いただきました。
マイスターの皆さん同士のお話も
マイスターの皆さん同士のお話も
説明を熱心に聞く吉住健一新宿区長
説明を熱心に聞く吉住健一新宿区長
懇談会は「新宿区優良企業」の代表者の方々と合同で行われました。
懇談会は「新宿区優良企業」の代表者の方々と合同で行われました。

水野功一さん (畳製造)

「四谷の本塩町で畳屋をやっています。十代目になります。」

 お寺で使う小ぶりの半畳を使って仕事内容をご説明いただきました。畳の手縫いの道具は昔からほとんど変わっておらず、竹の物差しが新しくなったくらいだそうです。仕事を始めたばかりの頃、親方から離れて独りでやっていて、お前さん一人で大丈夫かいと声を掛けられ発奮したお話などをお聞かせいただきました。また、息子さんが跡を継いでくれていて、仕事の基本を教えていくことが自分へのプレッシャーになっているそうです。
畳の手縫いの道具の数々
畳の手縫いの道具の数々
後継者の息子さんと
後継者の息子さんと

宇佐美隆三さん (浸染)

「『浸染』といって絹の着物を一色に染める仕事をしています。」

 着物を着る方が少なくなり、経営的には難しくなってきているそうです。昔は新宿区にたくさんあった同業者も、今では宇佐美さんと先輩の2軒だけになったとのこと。親の跡を継ぎ、こういう席に着くことができて大変感謝しているとのお話でした。「毎日、第六感の“カン”ピュータを使って色合わせを行い、苦労しています。」と会場を笑わせていただきました。
指定した色に染めるのが難しい
指定した色に染めるのが難しい
浸染の色見本帳
浸染の色見本帳

岡本 尚也さん(号:尚山) (印章彫刻)

「新宿の曙橋で手彫りの印鑑を27年彫っています。」

 今は機械化が進み、手彫りのハンコ屋はほとんどいないとのこと。印章彫刻は一人前になるのに最低十年は必要と言われる修業期間が長い職業で、後ろを走っている若い人たちがどんどん減っていくことに危惧感を抱かれているそうです。印章は骨に文字を残すというのが原点で、このようにして生まれた文化を印鑑として現代も使っていること、最初から最後まで手で仕上げる仕事として、誇らしく思っているとお話いただきました。
石などの土台の素材見本(左)
石などの土台の素材見本(左)
彫刻するための道具
彫刻するための道具

佐々木精一さん (活版印刷)

「3代目になります。祖父のころは活字専門だったのですが、私から印刷もやり始めるようになりました。」

 活字製造とは300度以上で溶かした鉛を使い、1本いっぽん活字を鋳造する仕事。創業者が設立された店舗は新宿区の地域文化財として認定されています。「文化は文字から」ということで活字製造を大変重視されているとのこと。ご子息も3年前からこの文化を絶やしてはいけないと活字製造を手伝うようになったそうです。今はパソコンで文字が簡単に出てくる時代ですが、一文字ひともじ一生懸命に作っているとお話いただきました。
活版印刷の書体見本(上)と印刷工程の説明
活版印刷の書体見本(上)と印刷工程の説明
後継者への技術伝承の質問に自分で学んでもらいます。
後継者への技術伝承の質問に自分で学んでもらいます。

マイスター認定に当たって感じられたこと

新宿ものづくりマイスター認定審査委員長 平野拓夫さん
新宿ものづくりマイスター認定審査委員長 平野拓夫さん
新宿ものづくりマイスター認定審査委員長、平野拓夫さん(多摩美術大学名誉教授)から、マイスター認定に当たって感じられたことをお聞かせいただきました。

 「コンピュータ時代にカンピュータとは名言でございまして」、コンピュータが進めば進むほど、カンピュータというセンスが求められる。どんどん前向きに進むことを期待しているとのこと。また、ものづくりが売れないということを聞いているが、どうやって売るのかを職業としている企業の代表者との交流を期待して、「新宿区優良企業」の皆さんとの懇談会を昨年から合同で行うようになったとご説明いただきました。
最期に、吉住健一新宿区長からお話をいただきました。

 「匠の皆さんはものづくりの世界に生きてこられ、企業の皆さんはお客さんが望んでいることを実現していくことに喜びを感じ利益を上げてこられたと思います。」

 最高の品物を作ってくださる名匠の皆さんが新宿区にいらっしゃる。そして、経営理念を徹底した魅力的な企業が新宿区の中にたくさんある。たくさんの海外の人が日本の伝統工芸品を評価している。オリンピック・パラリンピックに向けて、そういう方々に向けた仕組みを、匠と企業と行政が融合してやっていけたらと改めて感じたとお話いただきました。
写真・文 しんじゅくノート編集部 取材撮影 2015年12月11日

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