新宿チビたび散歩
2015年7月4日・5日開催 おとめ山公園 ~新宿区下落合~ イベントレポート
2015/07/13
ひろ~い新宿区を、ちっちゃく区切って、ちょっとお出かけ“チビたび散歩”。寄り道したくなる場所や一度は行ってみたいスポットを訪ねて、ときには気になるあの人にひょこっとお話を聞いて、ぶらりぶらりとちょっとした旅気分でお散歩します。
2015年で15回目を迎える、「ホタル観賞の夕べと夜のおとめ山公園」を取材させていただきました。この日のために長年ホタルを育成してきた皆さんの熱意の一端でも雰囲気が伝われば幸いです。
さあ、都会で育ったホタルを見に、おとめ山公園にチビたび散歩してみませんか。
記述は取材撮影時(2015年7月4日)の様子、執筆時点(2015年7月13日)での公式ホームページなどの参考サイトの情報に筆者の経験を加えた「筆者調べ」です。内容は目安とお考えください。それでは、最後まで読んでくださいね。
毎年7月におとめ山公園で「ホタル観賞の夕べと夜のおとめ山公園」が開催されます。開催時期はホタル次第。いつもは7月中頃が多かった鑑賞会ですが、2015年は7月4日・5日と早目の開催になりました。
会場は、おとめ山公園。今は自然のホタルはいなくなってしまいましたが、江戸時代のおとめ山公園一帯はホタルの名所として有名で、江戸名所図会や浮世絵にも描かれています。この地は「東京の名湧水57選」にも選ばれた名水の里。ホタルが育つには綺麗な水が不可欠で、この水があってこそ、ホタルも生きることができたのでしょう。
鑑賞会を主催するのは、落合地域の皆さんが中心となって活動を続けている「『落合蛍』を育てる会」です。昔のようにホタルが舞う「おとめ山」を目指して、10数年前にホタル飼育舎を建設。湧水を使ったホタルの人工飼育が行われています。一年を通して蛍舎内の草むしり、水の浄化、卵の管理、幼虫のエサのカワニナの飼育と、ホタルの成長に献身的に努力をされています。
ホタルが卵から成虫になるまで約1年かかります。卵からサナギまで水中や土の中で過ごしてきたホタルは、羽化して成虫となって地上の世界へ。成虫すると1週間から2週間の寿命のホタル、水しか飲まず、次の世代へ命をつなげるために淡い光を放ちます。
おとめ山公園でホタルに合う
「ホタル観賞会の夕べと夜のおとめ山公園」は、「『落合蛍』を育てる会」と落合地域の皆さん、学校と行政の皆さんがボランティアとなって開催されます。主役はホタルの鑑賞ですが、海城中学校と落合中学校の生徒の皆さんによる調査発表、地域の皆さんによる模擬店も出店します。子どもたちにも楽しい催しです。
取材した初日(2015年7月4日)は生憎の小雨交じりの天気。2014年は土砂降りだったというお話ですから、ましな天気だそうです。どうりで、元気な子供たちがガンガン集まっていました。
ホタル観賞会の整理券を求める長い列
午後6時から配布されるホタル観賞会の整理券を求めて、小雨混じの天気の中、長い列ができました。
交通整理に整理券の配布とボランティアの皆さんが会場運営をスムーズに進めてくれます。
ホタル鑑賞会は午後7時のスタート。模擬店や中学校の皆さんによる調査発表も始まり賑わっていました。この様子は後ほどご紹介します。
蛍舎入口 お化け屋敷のように中は真っ暗
いよいよホタル鑑賞会のスタート。おとめ山公園の蛍舎に順番に入って見学です。蛍舎は、おとめ山公園の湧水から流れる小川の上に作られ、自然に近い状態でホタルもきっと喜んでいると思います。
中は真っ暗。ここでもボランティアの皆さんが足元を照らして誘導してくれます。ときにふわりと光りながら移動するホタルに「飛んだ、飛んだ、きれい」という感動した声が聞こえます。子どもたちと大人たちは淡く光るホタルを珍しそうに、また、不思議そうに、昔を知っている人たちは懐かしそうに眺めていました。
なお、次のホタルの飛翔の写真は、カメラの長時間露光と多重合成により、肉眼でみるよりも多数のホタルが一度に写っています。
蛍舎内のホタルの飛翔 (長時間露光と多重合成による撮影)
ホタル飼育舎 卵から成虫まで一年を通じた努力がなされる。
ホタルに光の影響が少ないと言われる赤い照明が使われている。
落合中学校生による「生き物実態調査」の発表
海城中学校生による「おとめ山公園わき水調査」と落合中学校生による「生き物実態調査」の発表。
自然豊かな「おとめ山公園」を実感できる内容で、子どもも大人も熱心に見学していました。
ナアにコレとじっと見つめる先には不思議な生き物 (ウーパールーパ)
ジュウジュウと油が跳ねるウィンナー
弁天池のそばでは、地域の皆さんによるウィンナー、焼き鳥、焼きそば、かき氷、飲み物の模擬店がオープン。
本格的な焼き鳥 サイズが大きいです。
ハイ、かき氷できたよ。ありがとう。
「おとめ山公園で自然発生したホタルが育ち、飛び交うようにしたい」という「『落合蛍』を育てる会」の浅見会長。皆さんの努力でこのような素晴らしい催しができたことに感謝します。雨と湿度とホタル撮影の難しさでバテてしまいましたが、楽しく撮影させていただきました。参加した子供たちにも、大人たちにも素晴らしいひと時になったのではないでしょうか。
概要とリンク
飛翔するホタル (おとめ山公園の蛍舎)
ホタル観賞会の夕べと夜のおとめ山公園
落合地域の区民の皆さんが中心になって活動を続けている「『落合蛍』を育てる会」の主催で、平成27年(2015年)で15回目を迎えます。同会では「東京の名湧水57選」にも選ばれたおとめ山公園の湧水を利用してホタルの飼育をしています。普段は夜間の利用ができないおとめ山公園の中を通り抜け、ホタル舎の中を歩いて観賞します。神秘的な淡い光や、水の中で動く幼虫を見ることもできます。
日程: 7月の土曜・日曜の2日間
※ホタルの羽化の状態により開催日は異なります。7月中旬が多いようですが、平成27年(2015年)は7月4日(土)・5日(日) 午後7時から8時30分に開催されました。
会場: おとめ山公園 (新宿区下落合2-10)
主催: 『落合蛍』を育てる会
(新宿区公式HPより)
最新の開催内容は新宿区公式ホームページでご確認ください。
7月のイベントカレンダーで該当する告知ページで概要をご覧いただけます。
※このページは2015年7月4日に取材したものです。なお、ホタル舎内での写真撮影はできません。特別に撮影許可をいただきました。
オプショナル散歩とバックナンバー
お疲れ様でした
閲覧ありがとうございました。私事ですが7月中旬は法事が重なって毎回パス。ほぼ小雨の中での取材になりましたが、念願のホタル観賞会に参加できました。約1年の寿命の最後の1週間程がホタルが発光する期間。ホタルの淡い光は、命を繋ぐための必死な営みということを知り、感慨無量でした。
また、ホタル観賞では「光害」が問題になっています。懐中電灯やカメラのフラッシュなどの光を受けるとホタルは発光を止めてしまいます。ホタル観賞の際は光るものを向けないように注意ください。また、ホタルは簡単にスマートフォンや携帯電話のカメラで撮影しようとしてもできません。撮影後に画面が光ったりしてホタル迷惑になるので止めましょう。
内容は取材撮影時(2015年7月4日)の様子、執筆時点(2015年7月13日)での参考サイトなどの情報に筆者の経験を加えた「筆者調べ」です。記事の内容は目安とお考えください。
広い新宿区のことですから記事から漏れている事柄も多いと思います。お近くの公園の見どころや皆さんが楽しんでいるイベントなどを教えてください。次回の記事の参考や取材に押しかけます。連絡先は、Eメールでお願いいたします。
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