神楽坂のツボ
『ちいさな八百屋、み・つ・け・た♪~八百屋 瑞花~』
読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋―。様々な秋がありますが、私は食欲の秋が一番好きです。たわわに実った林檎やブドウ。新鮮なサンマや秋鮭。形も愛らしいキノコ。自然の恵みをふんだんに使ったご飯が食卓に並びます。
まだ暑さが残る9月のおわり。夏の食卓を飛び出して小さな秋探しへ出掛けました。夕方の涼しさにしか秋の足音を感じませんでしたが、よく目を凝らしてみると、秋は確実にやって来ていました。
ここは八百屋、瑞花(すいか)。
私が出会った中で一番素敵な八百屋さんです。
『素敵な八百屋さん』
大久保通り、市ヶ谷小学校の横。運動場の子ども達の元気な声に気を取られていると思わず見落としてしまう小さなお店、「八百屋 瑞花(suika)」。
こぢんまりとした店内には40~50種類程の野菜や果物たちが美しく並べられています。まん丸で艶々なナス。宝石のようなブドウ。季節を感じる様々な野菜に目移りして、お目当ての野菜を買い忘れてしてしまいそうです。
他にもオリーブオイルやお酢、蜂蜜なども揃えてあり、スーパーでは見かけない珍しい野菜も置いてあります。
手書きのポップにも野菜への愛が感じられ、商品一つ一つを大切にする気持ちが伝わってきます。
『美味しいは元気の源』
元々はOLだった店主の矢嶋文子さん。八百屋を開業したきっかけをお聞きしました。「通勤の時、周りの人の顔が疲れている事に気付いて。顔が青白いんです。そこで、これは美味しい物を食べてないからだなって」
「美味しい」で人を元気にしたい―。この思いが矢嶋さんと野菜を結びつけました。「野菜は食卓の基本。肉や魚だけでは食卓は成り立たないけど、野菜ならできる」。醤油も味噌も砂糖も米も、すべて大地の恵み。野菜の素晴らしさを見出した矢嶋さんは野菜について一から学びました。調理師学校、築地御厨での修業を得て、今ではお客さんだけでなく野菜ソムリエも矢嶋さんにアドバイスを求めるほどです。
『おいしいイベント♪~』
瑞花では様々なイベントが開催されています。例えば「酸欠会」。決して広くはない店内に、息苦しくなるほど多くの人が集まるので「酸欠」。お野菜の調理方法や美味しい食べ方・調味料などについて学べます。世間話しに花も咲いて、時間が経つのを忘れてしまう楽しくて美味しい会です。
前回のテーマは「サラダ」。まずは野菜の切り方・洗い方を学び、ドレッシングの基本「ソース ヴィネグレット」を作りました。疲れているとついつい食事も手抜きになりがちです。たくさん野菜を食べて体の中からリフレッシュしようという素敵な企画。私も参加したかった!
他にも季節を感じる素敵なイベントが盛りだくさん。開催情報は瑞花ホームページに随時掲載されます。イベントの様子もブログで見ることができるので、ぜひチェックしてみてください♪美味しい発見がありますよ。
『いま旬な野菜たち♪~』
矢嶋さんに旬の野菜、果物についてお聞きしました。「今の季節はキノコ類やさつまいも・かぼちゃはもちろん、ごぼうやレンコンなどの‘根菜’が旬ですね」。色の深い野菜たちがメインです。
大きなレンコン。きんぴらにしてシャキシャキの食感を味わいたい♪
豊富な種類のキノコ。パスタにしてもよし、鍋に入れてもよし、ホイル焼き、味噌汁、天ぷら・・・。
バリエーションが豊かでどんなお料理にも使えます。低カロリーで女性に嬉しいお野菜です。
こんな珍しい野菜もありました。
バターナッツスクアッシュ。かぼちゃの種類です。甘くて肉厚が柔らかいのでスープやグラタンに適しています♪
ぽてっとしたマッシュルーム。試食させていただきました。生で食べるのは初めてだったのですが優しい歯ごたえと香りがふわっと口の中に広がりとても美味しかったです。サラダにして食べるのがおすすめ♪
瑞花に並ぶ野菜たちは新鮮で質の良いものばかり。農家から直接仕入れているものも多いです。矢嶋さんは、時間を見つけては農家へ出向きます。野菜がどのようにして育ったのか目で見て、土を肌で感じ、美味しい食べ方や目利きを農家の方から伝授してもらい野菜について知るのだそうです。栄養価だけでなく調理方法や美味しい食べ方、野菜が育った環境など、野菜について出来るだけ多くの知識を得ておくことが、安心と元気を提供するためには必要であるのだと言います。人の体は食べ物からでしか栄養を吸収できません。食べたものが健康にダイレクトに影響します。「食べた人が美味しく元気に健康になってほしい」。そんな強い思いがお話から伺えました。
『神楽坂の優しい台所』
取材中もお客さんが来店され、矢嶋さんとお話しながら楽しそうに野菜を選んでいました。「天ぷらがね、上手く揚がらないの。」「温度に気を付けないと。」野菜についてだけでなく料理のアドバイスもしていた矢嶋さん。八百屋であり料理の先生でもありました。また、時折入口に向かって小さく手を振って下校中の小学生を見届けていました。「最近は近所で叱ってくれる人も少ないでしょ?だから靴のかかとを踏んで歩いてたら‘ちゃんと履きなさいよ’ってちょっと叱ってあげるんです(笑)。」八百屋であり母親のような存在。常連のお客さんの子どもの成長を見られるのも嬉しい事の一つとおっしゃっていました。
八百屋だけどただ野菜を売っているだけではない、瑞花には野菜のほかにも魅力があります。様々なイベントもそうですが、瑞花の存在はどこか「母親がいる優しいキッチン」のような温かみがあると思いました。「ここにくると何となくほっとする。またここに来たいと思う。」。この魅力は瑞花を創っている矢嶋さんの人柄なのだと思います。
「八百屋瑞花」。みなさんもぜひ訪ねてみてはいかがですか。美味しい野菜と素敵な店主さんが出迎えてくれますよ。 しんじゅくノート学生記者 池谷 栄里子
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