神楽坂のツボ
都会の喧噪から歴史的空間へ
落ち着いた店内
ちょっとだけ背伸びをして入った大人の空間は、笑い声が響くあたたかい場所でした。
神楽坂の入口は思いのほか喧噪につつまれています。そんな飯田橋駅からほど近い、本田横丁から神楽坂仲通りに抜ける芸者新道という名の路地。石畳の階段を上がって左を見れば、奥にひっそりと佇むお店が。神楽坂の持つ歴史的風情を感じることのできる『風雅すたいるカフェ』です。
店内にはいくつかのテーブル席。 そして一人用のソファー席が2つ。「ここは僕の指定席」なんてお客様もいらっしゃるとか。落ち着いた照明に木のぬくもりが心地よく、一人でも気軽にくつろぐことができます。
お茶漬けカフェ
人気の鶏の柚子胡椒茶漬け
主なメニューはお茶漬けです。シンプルな鮭茶漬けなどの定番はもちろんのこと 、女性に人気の鶏の柚子胡椒茶漬け、男性に人気のTKC(卵かけ茶漬け)、4月限定の鯛茶漬けなど、様々なラインナップが揃っています。季節のお茶漬けは時期によって変わり、スタッフで試行錯誤しているそう。また、旬のものを取り入れて一切添加物を使用せず、だしも毎朝しっかりとっています。忙しない日常の中でほっと安らげる味です。
16時まで、と長めに設定されているランチタイムでは、このお茶漬けに魚か肉かを選べる西京焼、お漬け物、サラダ、お惣菜などがつき800円~とお得に満腹感を得ることができます。お昼を食べそこなった人もゆっくりランチを楽しめますね。
メイドインジャパンのこだわり
お料理の器にもこだわりを感じます。食器は九谷焼きという焼き物。また、家具にも床にもふんだんに桐を使うなど、いい素材を使うことを惜しみません。「見て、触れて、使ってほしい」とマネージャーの藤代さんは話します。
また、お店の一角には和紙繊維を使用した洋服、靴下、ストールといった製品が売られています。やわらかい肌触りで、消臭性、抗菌性、UVカット効果もあります。これらは薬を使った加工ではなく、和紙本来の持つ力を生かしたものだそうです。
九谷焼きのグラス
和紙繊維で作られたストール
落ち着いた空間≠敷居の高い空間
実はここ、和紙繊維製品の販売から始まったお店なのです。お客様から「この辺りでカフェ知らない?」と聞かれることが多く、それならばとお店に小さな休憩スペースを設置。すると次は「ランチはやっていないの?」と聞かれるようになり、昨年の3月にカフェスペースを拡大してリニューアルオープンしたそうです。利用者の声が届くアットホームさが、また素敵ですね。
カフェということで、もちろん神楽坂にぴったりの和に因んだデザートや、飲み物もあります。取材をした時の小話ですが、鮮やかな色合いのフルーツ入りソーダがカクテルに見え、「アルコールですか?」と聞くと、残念ながらソフトドリンク。しかし、要望があればお酒を入れることもできるそうで「気軽に声をかけてください」とのこと。少し背伸びをしてはりつめていた心が、ふと和んだ瞬間でした。
スタッフさんの柔らかい雰囲気と 日本人が古来より親しんできた素材が創るくつろぎの空間。たまにはそんなカフェで、ほっと一息ついてみるのはいかがでしょうか。
しんじゅくノート学生記者 小林彩友美
風雅すたいるカフェ
住所:新宿区神楽坂3-2-40 CO&COビル2F
電話番号:03-5227-1572
営業時間:11:30~21:00(L.O.20:30)
定休日:不定休
ホームページ:http://www.fugastylecafe.com/