神楽坂のツボ
この先、「手づくりの店 工房かぐら」!
神楽坂の大通りから一歩入ると見えるこの看板。
さらに進むと、落ち着いた、けれどもどこか可愛らしい建物が見えます。その外から見える作品たちにつられ、思わず足を踏み入れたくなります。
左から入ると陶芸教室、
右から入ると陶芸作品の展示スペース。
外からも様々な作品が見られます。
こちらの工房かぐらは、元々は陶芸教室としてのみ運営されていましたが、2011年の5月に展示スペースが新しく開設されました。展示スペースは、以前は駐車場だったそうです。なぜ駐車場をなくしてまで展示スペースを作ろうと考えたのかをオーナーの木村さんに伺うと、「先生と生徒さんのため」と柔らかい笑顔で話してくれました。
ここでは陶芸教室の先生や10年以上陶芸を続けている生徒さんの作品が展示され、作品の販売もされています。「ほんの少しでもお買い上げ頂いてお客様の喜んだ顔が見られれば、作る方もまた励みになります」と木村さんは言います。
訪れる人々は世代も広く、ご近所さんから遠くより神楽坂に来た人まで様々。
ぶらっと訪れた記念に作品を買っていく人や、プレゼント用に買っていかれる人が多いそうです。中には、帰り際に「こういう作品も作って欲しい」と要望をいう人もいるとか。
(その後の作品に反映されることもあるそう。行ってみる価値あり!?)
手作りならではの……!?
皆さんはこの魚の作品が何だかおわかりなりますか?
これは一見何かの器だと思われるかもしれませんが、実は蚊取り線香です。なんとも愛らしい表情が魅力的ですね。こういったユニークな作品も、手作りだからこそできるものなのでしょう。
展示されている作品のすべては手作りであり、まったく同じものは二度と作られません。作品は実用的なものから、見ると思わずくすっと笑ってしまうようなかわいいものまで様々です。実際に手に取って見ることができるので、作品の重さや質感なども感じ取ることもできます。どの作品も美しく作られていますが、どこか温かみを感じられるものばかりです。
木村さんの心遣い
手作りの陶芸品というと、つい高価なものだと連想されるかもしれません。しかし、ここに展示されている作品はお手頃なものが少なくありません。これも「訪れてくれた人のため」という木村さんの心配りからきています。
木村さんは、新しく陶芸を始める生徒さんが、展示スペースにある作品を見て目標をたてやすくなっているとも続けます。「いつか私もああいう作品を作ってみたい」と、具体的なイメージが自然とできるそうです。
確かに、ここにある作品が自分でも作れたらどんなに楽しいだろうと筆者も思いました。この展示スペースは、作品を作る人、お店に訪れる人、新しく陶芸を始める人をつなげているのです。
展示スペースと陶芸教室を仕切っているものは、1枚のガラス板と、そこに展示されている作品たち。ここには主に箸置きや小さい器などが置かれていて、箸置きは特に人気があるそうです。
季節に応じたものや、かわいらしいキャラクターのものは、行く時々で表情を変えます。
また、運が良ければその向こう側で作品を作っている様子が見られるかもしれません。
木村さんご自身も作品を作られています。
海外旅行に行った際にモチーフを見つけ、それを作品に反映していくそうです。
実際に、エジプトに行った際の思い出として制作した、ピラミッドをモチーフにしたランプシェイドを見せて頂きました。
ひとつひとつのブロックから丁寧に作られたこのピラミッドには圧倒されます。
存在感がありながらも、中から灯る優しい光には癒されます。
オリジナリティにあふれ、かつ手作りの温かみの感じられる工房かぐらに、是非一度は訪れてみてはいかがでしょうか。