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新宿ものづくりマイスター 技の名匠

【東京手描友禅】 真渕 貴昭さん

平成23年度認定

2015/04/20

着物をキャンバスに四季を描く友禅染マイスター

東京手描友禅 真渕貴昭さん
東京手描友禅 真渕貴昭さん
 林芙美子記念館の奥にある、その昔の落合文化村の雰囲気のある工房に染色家、真渕貴昭さんをお訪ねしました。信州の豊かな自然を友禅染の着物に昇華した作品を数々創作されています。

新宿ものづくりマイスター「技の匠」、日本工芸会準会員、伝統工芸士

1939年(昭和14年) 長野県中野市に生まれる、1957年(昭和32年) 染色家小沢賢雄氏に師事、1965年(昭和40年) 新宿区中井に工房「貴美」を設立、1981年(昭和56年) 東京都工芸染色協同組合理事に就任、1993年(平成5年) 通商産業大臣認定資格「伝統工芸士」取得、1997年(平成9年) 東京都より伝統工芸品産業功労者表彰、2007年(平成19年) 新宿区より染色の道50年記念表彰、2011年(平成23年) 新宿ものづくりマイスター「技の匠」認定

入選・受賞歴: 日本伝統工芸 本展・染織展・新作展・武蔵野展、東日本伝統工芸展、日本染織展(銀賞)、全日本染織展、染芸展(東京通商産業局長賞、東京商工会議所会頭賞、東京産業貿易協会賞、染芸展賞、新宿区長賞) など多くの賞を受賞

不器用なので、この仕事ができた

……東京手描友禅について、仕事に就いたきっかけをお教えてください。

 信州出身なので最初の作品に林檎の花をあしらいました。四季折々の感触を友禅染に仕立て、見て美しく、眺めて楽しく、見られて誇らしい着物、そんな愛着のある工芸作品として代々伝えたい着物の制作を心がけています。

 私は根が非常に不器用なので、この仕事ができたと感じています。高校時代は油絵にかぶれていて、友禅には知識がなかったのです。友達から東京で畳の上で三食たべさせてくれ、昼間は着物に絵を描く仕事はどうだと言われて跳び着きました。ともかく絵が好きで、大都会に出れば有名な作家の絵を見ることができると思い、高校を卒業した18歳のときに布団袋半分の身支度で東京に出てきました。

 東京に来てみれば、住み込みで朝起きて寝るまでが仕事。最初はカルチャーショックでした。確かに三食たべさせてもらって、畳の上で仕事をしている。修業ってこんなものだと自分に言い聞かせて、途中からそれに乗って行こうと思いました。今になれば、それが良かったと思っています。この道を選んで仕事を続けていることが幸せかなと思います。
多数の色を重ねる色挿し 図案は新宿区の花「つつじ」
多数の色を重ねる色挿し 図案は新宿区の花「つつじ」

自分の気持ちの入った着物を作る

……苦労されていること、ものづくりについてお聴かせください。

 仕事ですから苦労とは思わなくて当たり前だと思っています。強いて苦労したというと、作品を作るにあたってアイディアが出てこないということでしょうね。それに僕らの仕事というのは、頭で考えるのはなくて、筋肉に覚えさせなきゃいけない。こういうことは思っていても表現できない。これはやっぱり苦労かも知れないですね。それに今、中々売れないのが困ったものだと思います。

 高校生の頃まで常に見て油絵に描いていた信州の四季や自然が身体の中に入っているのでしょうね。誂え(注文)では昔ながらの文様が多いものですが、作品では自由にできます。自然を賛歌する四季をデザインした着物を制作しています。絵画とは違うのですけれど、着物であっても自分の気持ちの入ったものを作るのは良いと思っています。

 人には着物は家庭の歴史と言っているのですよ。着物は高価かも知れませんが、着物程、手入れをして長く使えるものはないですよね。物がない時代におばあちゃんが苦労して買った着物、娘に買ってあげた着物、肌につける着物を通して、その家庭の歴史が伝えられると考えています。
手描き友禅染の色挿しに使う筆の数々
手描き友禅染の色挿しに使う筆の数々

新宿区で仕事するのが夢だった

……マイスターに認定された理由、新宿区でご活躍されていることについてお話ください。

 マイスターの認定は、この場所でやっていたからだと思います。仕事を始めるときは新宿区でやるのが夢だったのです。修業は豊島区でやっていました。何といっても新宿区は染の町です。中井の工房が終の棲家です。最盛期からすると仲間が減りましたがまだ残っています。

 地方へ行くと新宿区はいわば「県庁所在地」でネオンの町。そこで伝統工芸をやっていることに価値があるのだと思います。新宿は染色の長い歴史がありますしね。故郷の集まりで「新宿区でマイスター」をやっているというと、おーっと言われます。
自然賛歌を謳う手描き友禅染の作品
自然賛歌を謳う手描き友禅染の作品

この鉄路をずっと行くと都会に出る

……後継者、ご趣味やこれからのことについてお聴かせください。

 これまではずっと弟子を入れていました。今は一人で一番気楽にやっています。弟子が食べていくことを考えなきゃいけない。それを考えると今は簡単に弟子を取れないのですよ。今の方が優れた子たちがいっぱいいますが、弟子を取ることにとても責任を感じます。

 田舎から出てくるときに、この鉄路をずっと行くと都会に出るのだという気持ちがありました。ですから時刻表を見るとか、古い鉄道を見たりするのが好きですね。電車も小さい方が好きで、東京で都電が走っていた頃の本だとかをいっぱい持っています。都電のある町に行くと楽しくなりますね。これからは時間があるので、少し回ってみようかと思っています。
染の小道(2015年)出展作品「商店街の春 Shopping Street in Spring」(写真は部分)
染の小道(2015年)出展作品「商店街の春 Shopping Street in Spring」(写真は部分)

……真渕さんは今は弟子も取らず、作品作りに専念されているそうです。豊かな日本の原風景を思い浮かべる信州の自然をモチーフにした新作を拝見することを楽しみにしています。古い鉄路や都電にも興味をお持ちで、「甍(いらか=瓦)の波」を背景に都電が行きかう懐かしの東京の風情の作品ができるのでとは秘かに期待しています。

染色が盛んだった時代の記憶を引き継ごうと始まったイベント「染の小道」。その様子はこちらでご覧いただけます。
染の小道 2015 (新宿チビたび散歩)
染の小道 2014 (新宿チビたび散歩)
東京手描友禅 真渕 貴昭さん
東京手描友禅 真渕 貴昭さん
貴昭 ( まぶち たかあき ) さん

業種: 東京手描友禅
工房: 工房 貴美
住所: 新宿区中井2-21-26 工房 貴美
電話/FAX: 03-3953-7675
写真・文 しんじゅくノート編集部 取材撮影 2015年4月7日

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