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新宿ものづくりマイスター 技の名匠

【管楽器製造】 石森 信二さん

平成22年度認定

2015/03/20

ミュージシャンを支える管楽器のマイスター

管楽器製造 石森信二さん
管楽器製造 石森信二さん
 プロのサックスプレーヤーから高い評価を受ける WoodStone ブランドのマウスピース。素材、精度にこだわったハンドメイドのオリジナルブランドの管楽器パーツ製造を手掛ける技の名匠「新宿ものづくりマイスター」石森信二さんにお話を伺いました。経営する石森管楽器はサックスプレーヤーの聖地ともいえる場所。日々、ミュージシャンが訪れ、管楽器の販売から修理、レッスンにコンサートまでをサポートしています。

プロのミュージシャンの欲しいを形に WoodStone ブランドを創造

……お仕事の内容、仕事に就かれたきっかけを教えてください。

 石森管楽器は管楽器の修理が本業で始まりました。私は三代目で、兄と一緒に仕事をしています。今も管楽器の修理がメインですが、WoodStone というブランドで管楽器のオリジナルパーツの製造もやっています。仕事としては管楽器とそのパーツの販売。また、地下にイベントスペースがあり、クラシック、ジャズなどのコンサートやライブなどのイベントも多数行っています。

 中学生の頃から少しずつ修理を手伝っていましたが、仕事としては二十歳からはじめました。最初はわからないことばかりで覚えるのに必死で大変でした。10年くらいして修理のコツがつかめてきた頃からパーツの開発を始めました。専門メーカーの製品を販売するのが小売店の仕事だったのですが、それだけでは面白くない。技術もあるのでオリジナル製品を開発して販売したというがきっかけです。うちはプロのミュージシャンがたくさん見えられるので、そういう方々に試してもらって、こういうものが欲しいとかを聞きながら作っていったのが、WoodStone ブランドの品々です。
修理工房 修理50年以上のベテランも現役で携わる
修理工房 修理50年以上のベテランも現役で携わる

ゼロから新しいデザインや構造を考え 特許を取得

……苦労や続けることができた理由、ものづくりの魅力や喜び、誇りについて教えてください。

 パーツ販売は最初全然売れず、ビジネスとしてはダメだなという印象しかなかったのです。買ってくれるのはプロの方ばかり。修理依頼にきてくれる方へのサービスみたいな感じでやっていました。プロの方にその場で吹いてもらって印象を確かめられる、その楽しみがあるのでやっていられたようなものです。

 面白いと思ったプロの方は結構多かったようです。認めてもらうまで大変だったのですが、ここ何年かで海外のイベントに出展してディラーが増え、予想を超える注文がくるようになりました。手作りの部分が多く、急に増産できるものではなく、またクオリティは絶対に落とせないので、生産性を上げるのに苦心しています。

 ものづくりの魅力は終わりがないこと。良いものができたとしても、さらによりクオリティを求め、改良するところを探し求めています。ゼロから新しいデザインや構造を考えているうちに、もしかしたら他に作っているところはないんじゃないかと特許を申請することがあります。こうやって8件の特許を取得しました。

 プロもアマチュアの方も含めてミュージシャンの方々に喜んでもらっていることが一番の喜びです。製品を使用している画像がテレビやネットに出たり本に載ったりしているのを見ると誇りを感じます。
修理に使う道具 画面には見えないが特殊な工具も使用する
修理に使う道具 画面には見えないが特殊な工具も使用する

地方からのアクセスにも便利な新宿

……マイスターに認定された理由、新宿区についてお話ください。

 認定された理由は会社として古いからだと思います。僕が認定されたとは思っていません。管楽器修理という業種がないときから60年以上やっているところが認定されたのかなと思っています。

 新宿区は交通のアクセスが良いですね。お客様はミュージシャンに限定され、地方からこられる方もいらっしゃるのでこの場所を選びました。昔は新宿にダンスホールとかキャバレーも多く、そこにいたミュージシャンがうちにきてくれるという利点があったのですが、最近は減ってしまい寂しくなっています。
管楽器とパーツの販売と修理店舗 著名ミュージシャンの色紙も並ぶ
管楽器とパーツの販売と修理店舗 著名ミュージシャンの色紙も並ぶ

演奏者の見えるライブは迫力が違う

……後継者に向けたメッセージ、ご趣味や凝っていることなどがありましたら、お聴かせください。

 製造や修理の仕事を希望するたくさんの若い人がやってきていて、この仕事の先行きは明るいと思っています。一番長い人は50年以上やっています。今でも現役でプロの方の信頼は厚いですね。

 目の前で管楽器を吹く、演奏者の姿の見えるライブの音楽は迫力が違います。一般の人がもっとライブハウスに行くようになると良いなと思います。地下のイベントスペースでたまにチャリティーイベントをやるんですけど、たくさんのお客さんで賑わいます。大きなホールと違い部屋全体で響くので、見た目よりもゴージャスな演奏になります。かなり有名な人もここで演奏しています。

 趣味と言えば、海水魚を飼っています。海の引き潮の磯場に残る小さな魚を自分で獲ってきて飼うのですね。それが今楽しみです。水槽は120cmで、今年はもう1個増やす予定です。昔ずいぶんやっていて、一度やめて、昨年からまた始めたのですよ。見ているだけで気が休まります。

……地下のイベントスペースで、ビールサーバーや旨そうな酒ビンを背景にインタビューさせていただきました。開発の楽しさを熱心にお話いただきました。販売や製品化の「陰」に苦労もあるに違いありません。苦労したことはナイと言い切る姿に、将来の姿を想像し実現しようという強い意志を感じました。講演したことはないということでしたが、ぜひ、機会があれば「モノ創り」の楽しさを若い人たちに話していただきたいものだと思いました。世界のミュージシャンへの更なる貢献と発展を期待しています。
管楽器製造 石森信二さん
管楽器製造 石森信二さん
石森 信二 (いしもり しんじ)さん
業種: 管楽器製造
工房: 石森管楽器
住所: 東京都新宿区百人町1-20-23
電話: 03-3360-4970
FAX: 03-3360-4590 
定休日: 第1、3水曜日
ホームページ: ⇒石森管楽器
写真・文 しんじゅくノート編集部 取材撮影 2015年3月2日

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