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新宿ものづくりマイスター 技の名匠

【東京手描友禅】 熊崎 和人さん

平成22年度認定

2015/01/22

古典から現代まで多彩に大胆に表現する文様のマイスター

東京手描友禅 熊崎和人さん
東京手描友禅 熊崎和人さん
 古典から現代的な図柄まで60色以上の色合いで重厚かつ緻密に表現する新宿区のマイスター 技の名匠 熊崎和人さんにお話をうかがいました。演歌歌手の衣裳などの大胆な着物を制作される一方、江戸解(えどとき)文様を継承した江戸時代の風景を描いた緻密な図柄にも挑戦を続けられています。

1946年(昭和21年) 生まれ、1961年 (昭和36年) 服部秋巳氏に師事、1974年(昭和49年) 独立して「熊崎工房」を設立、1994年(平成6年) (国)東京手描友禅伝統工芸士に認定。また、1991年(平成3年)より都はるみさん、1998年(平成11年)より原田悠里さんのステージ衣裳を担当。工房で手描友禅塾を開講、装道きもの学院講師、小学校や区の体験セミナー講師などを務める。
受賞歴:  1997年(平成9年) 新宿区地場産業表彰、東京都染芸展コンクールで毎年のように東京都知事賞・新宿区長賞など多くの賞を受賞。
現在、東京都工芸染色協同組合理事、新宿区染色協議会副会長。

絵が好きで友禅師に弟子入り

……東京手描友禅について、この仕事に就いたきっかけをお教えてください。

 京都の京友禅の「雅(みやび)」に対して、江戸の東京手描友禅は「粋(いき)」を表現します。また、デザインから下絵、糸目、色差しなどの主な工程を友禅師(模様師)が一人でこなすのが特徴です。

 子どもの頃から絵が好きで、手に仕事を付けた方が良いということで、東京の親戚の紹介で弟子入りしました。夜の11時くらいまで着物の絵を描いていました。何が何だかわからない頃からやってきて、50年あまり経ちました。
ズラリと並ぶ染料 組み合わせて60色以上の色を使い分ける
ズラリと並ぶ染料 組み合わせて60色以上の色を使い分ける

困難を乗り越えようと挑戦を続ける

……苦労されたこと、なぜ続けることができたのでしょうか。

 独立した1974年(昭和49年)頃にオイルショックがあり、仕事を集めるのが大変でした。
今でもそうですが、昔のように着物が売れなくなり、帯くらいしか売れないようになってきています。

 1991年(平成3年)から歌手の都はるみさんのステージ衣裳を手がけ、8年間で合計33枚の振袖を制作しました。舞台映えを考えた思い切ったデザインを何度も出したりと大変で、イルカやクジラの遊ぶ大海原、惑星や彗星が舞う大宇宙、ニューヨークのセントラルパークなど、普段の着物ではやらない大胆な振袖を作りました。製作期間の短い急な仕事でしたが、すごく刺激を受けました。たくさんの人に見てもらえることもあり、やりがいがありました。

 今になって考えればオイルショックという困難を乗り越えようといろいろな挑戦をしたことが良かったのかも知れませんね。誂え着物ではオートバイや水上飛行機など大胆な図柄を描くことがあります。

 ともかく人がやらないことをやっています。読売新聞の「匠の技」というコーナーで記事になったり、雑誌などで紹介されるようになりました。
着物とは思えない大胆なステージ衣裳のデザインの数々
着物とは思えない大胆なステージ衣裳のデザインの数々

人のやらないことで作品観を拡大

……新宿区の関わり、ものづくりへの取り組みについて教えてください。

 新宿区染色協議会で副会長やっています。協議会の会員は染色の仕事仲間なので、新しく知り合えた人に仕事が回しやすい。新宿区での仕事は楽しいですよ。また、区の体験型教室で講師をやっています。小学校でも教えましたが、感想文に将来職人になりたいと嬉しいことを書いてくれるんです。

 今、挑戦しているのは江戸の風景を緻密な図柄で描く江戸名所図の訪問着です。手間と細かい仕事が必要で割りが合わないのですけど、他の人がやらないので続けています。江戸時代の風景の資料を集めるのも大変で、細かいので作るのはもっと大変。ただ、やっていると結構楽しい。江戸時代はやはりロマンがありますね。昔の風景を知っている人には懐かしんでもらえて楽しいと思います。
江戸解(えどとき)の着物 桜の季節の隅田川 肩には江戸城を望む
江戸解(えどとき)の着物 桜の季節の隅田川 肩には江戸城を望む

手仕事はウソをつかない

……後継者に向けたメッセージやご趣味などがありましたらお聴かせください。

 後継者の育成では1989年(平成元年)から始めた手描友禅塾が今も続いています。最近は若い人が増えて、生徒の手前、先生として頑張らなければいけないとコンクールに出展しています。また、新宿区のものづくり産業後継者育成支援を活用して後進を育てました。

 仕事をしたい人には「手仕事はウソをつかない」ということを伝えたい。つまり、自分で修業しただけ返ってくる。手描友禅は着物以外の小物にも応用が効きます。基礎をしっかり覚えることが大切です。

 仕事が忙しくて趣味の時間がありません。もともと釣りや絵を描くのが好きで、若いころは夜行日帰りでスキーに行ったこともあります。今は自宅のある長野県佐久市に帰ったときに冬山を眺めて震えています。
古の江戸の海辺の風景
古の江戸の海辺の風景

……ご苦労されたことが挑戦の礎となり、大胆な図柄や緻密な江戸風景の着物に開花した。作品を実際に拝見すると、その緻密さに驚かされました。江戸の風景の資料を集めるのが大変と少年のような眼差しでお話しいだたいた笑顔が印象的でした。言葉には出ませんでしたが、この仕事が好きで続けてらっしゃるという気持ちが伝わってきました。江戸の風景を描く江戸解の新作を期待しています。
東京手描友禅 熊崎和人さん
東京手描友禅 熊崎和人さん
熊崎 和人 ( くまざき かずと ) さん
業種: 東京手描友禅
工房: 熊崎工房
住所: 新宿区高田馬場4-27-15-402
電話/FAX: 03-3365-6610
ホームページ:
日本の伝統工芸士 東京手描友禅 熊崎 和人 《雅号: 熊崎工房》
染の王国・新宿 熊崎工房
写真・文 しんじゅくノート編集部 取材撮影 2015年1月19日

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