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新宿ものづくりマイスター 技の名匠

【足袋製造】 大橋 信彦さん

平成23年度認定

2014/07/04

アナタのために世界で一つだけの足袋を作るマイスター

足袋の店「むさしや」三代目の大橋信彦さん
足袋の店「むさしや」三代目の大橋信彦さん
 着物を着れば、足元に足袋を履きます。結婚式などに使う正式な白足袋や黒足袋ばかりでなく、踊り手の足元を美しく見せる足袋、お洒落なカラフルな足袋と、いろいろな種類があります。

 極細の足や外反母趾、変わりつつある現代人の足に合うバランスの取れた足袋を日々研究し、海外の外国人からのオーダーにも応え、伝統文化について講演も行うなど、幅広く活躍されている足袋職人、大橋信彦さんにお話を伺いました。

履いていることを忘れる足袋

……足袋製造というお仕事、またその職に就いたきっかけをお教えください。

 既製品からオーダーメイドまで、座敷用の足袋を作っています。「履いている事を忘れる足袋」を目標として商いをしています。ご来店いただき、足を拝見し、クセ、特徴なども見て、好み、用途、予算などに応じた足袋をご提案します。職業柄、あるいはご希望があれば、型紙を起し誂えも承ります。

 元々は足袋の卸を家業としていました。納品に都合が良いというので、四ツ谷駅に近いこの場所に親父が開店しました。私は昭和21年生まれ、足袋屋の三代目、昭和39年(1964年)から仕事を始めて50年になります。20年くらいまえに他の商売に鞍替えしようとしましたが、やはり足袋屋を続けることになってしまいました。「神様が私を足袋屋に引っ張っているのだから」と、この仕事を続けています。
10枚ほど重ねた生地を型紙に合わせて一度に裁断
10枚ほど重ねた生地を型紙に合わせて一度に裁断

お客様の足にあった本当に良い足袋にこだわる

……どのようなことで苦労しましたか。なぜ続けることができたのでしょうか。

 一般的に販売されている足袋が合わない人は、ホームページで頼りになる足袋屋を一生懸命探しています。ネットで注文がくるのですけど、必ずご来店いただいています。医者が患者の状態を知らないで適当に薬を出すわけにはいかないのと同じです。店は見つけにくい場所にあり、都会のジャングルでオアシスを探すように、たどり着いてくれます。北は北海道から南は沖縄、さらに海外から特注のサイズや柄の足袋を作りたいと、いろいろな方がきてくれます。

 お客様の足にあった本当に良い足袋にこだわっています。感謝の手紙がくれば、「やったー」と喜んでいます。喜んではいるものの、うちの足袋は丈夫なので再度の注文はくれないのです。かといって、いいかげんな作り方はしたくない。ばかげていますけど、ばか正直にやっています。
一方が摩耗してしまった木槌、足袋の形を整える道具
一方が摩耗してしまった木槌、足袋の形を整える道具

神様が次から次に宿題をだしてくれる

……ものづくりについてお聞かせください。

 ものづくりは難しいです。50年やっていますが、満足できないです。例えば、外反母趾の人が来たとき、いろいろ苦心して外反母趾用の美しくバランスの取れた足袋を作りました。こんどは女性の足幅が細くなって、極細の足袋を20年かかって完成させたのです。そうしたら今は男も女も、極細の足袋でも幅が余る人がでてきている。試行錯誤してできあがったから、これから先はうまくいかと思うとそうでもない。次から次に神様が宿題を出してくれるのです。

 お客様から「ありがとうございます」と言われるのは、職人でなくては味わえない喜びだと思うのですが、儲からない。職人ってそんなものだと思うのですよね。
昔からの道具を大切に使う 足袋作り専用の道具はもう作られていない
昔からの道具を大切に使う 足袋作り専用の道具はもう作られていない

今、行動しないと日本の伝統的なものは残せない

……これからのこと、メッセージがありましたら教えてください。

 食べ物は高くて良いものを選ぶけど、ほかの物は何が良いのか分かっていない人が多いのです。ヨーロッパ、特にフランスとドイツは手作りに対して評価が高い。外国の人は、「大量生産とは物が違う、(うちの足袋が)4000円だったら安い」といってくれます。

 今の人は着物に関心がなく、足袋も履かなくなっています。需要が激減しているので、素材もどんどん製造されなくなってきています。親父から聞いた話です が、戦争前(昭和16年・1941年以前)は東京に800軒の足袋屋があったそうです。今や誂え足袋屋は東京で5軒。京都でさえ2軒、大阪他九州や北海道にもありません。足袋生地のキャラコも今年は織ってくれますけど、来年はどうなるかわかりません。

 ものづくりにはチームが必要です。注文があって、作り続けていかないと、どこかに穴が開いてしまうのです。素材を作る人、足袋を作る人、売る人などに注文する人も含めてチームなのです。伝統的な足袋も、注文が来なくなれば、作ることが出来なくなってしまうのです。一度開いた穴はふさぐことができません。
 伝統的なものが欲しいと思っても、博物館にしかないようじゃ、おしまいでしょう。
 本当に欲しいものだったら、今、行動しないと遅いのです。
足袋のサイズは1文銭の大きさが基準<br>(足袋の作り方を示した古い図)
足袋のサイズは1文銭の大きさが基準
(足袋の作り方を示した古い図)


……足袋と和装という文化の継承に危機感を抱きながら、お客様のための足袋にこだわり続ける職人というイメージがぴったりの方でした。足袋と着物にまつわる歴史的なお話も楽しく拝聴しました。ものの価値とは何か、ものづくりの継承の大切さを考えされられました。こだわりの仕事が永く続くことを願っています。
大橋 信彦(おおはし のぶひこ)さん
業種:足袋製造(座敷足袋)
工房:たびの店(有)むさしや
住所:新宿区坂町7-4
電話:03(3351)7359
FAX:03(3355)0887
営業:午前10時~午後7時半(火曜・土曜は6時半で閉店)
休業日:日曜日 ※臨時休業あり
ホームページ:足袋の店(有)むさしや
写真・文 しんじゅくノート編集部 取材撮影 2014年7月2日

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