神楽坂歳時記
神楽坂に公園ってあるの?
天気の良い秋晴れの日には、公園に出かけてみませんか?
「公園なんて子どもが行くところだし…」と思っている人も、「都内にゆっくりできる公園なんてないし…」と思っている人も多いと思います。「神楽坂に公園なんてあるの?」と思うかもしれませんが、意外にも神楽坂には公園がたくさんあるんです! 今回はその中から白銀公園(しろがねこうえん)についてご紹介します。
白銀公園の入り口。
JR飯田橋駅から徒歩10分、東京メトロ東西線神楽坂駅から徒歩2分、メインストリートである神楽坂通りから一本入ったところに白銀公園はあります。
歴史ある料亭からおしゃれなイタリアンまで、さまざまなお店でにぎわう神楽坂の喧騒が届かない閑静な住宅街の中にある白銀公園は、白銀町の住宅街に住む人々や神楽坂付近で働く人々が憩いの場となっています。
夏には子どもたちに大人気の水浴び場。
滑り台や地球儀など、
たくさんの遊具がそろっています。
白銀公園の敷地は都内では珍しいほど広く、ジャングルジムや地球儀、シーソー、ブランコなどの遊具や、砂場や水浴び場などがそろっています。
昼間に訪れると小さな子どもたちが笑顔ではしゃぎまわり、お母さんたちが公園の木陰から子どもたちを見守っている様子がうかがえます。お母さん方にお話を伺うと、白銀公園は広くて、利用する人も多いので安心して子どもたちを遊ばせることができ、また、近所の子どもたちが集まることから自然と友達の輪が広がり、子どもたちにとってとても良い遊び場となっているとのことです。
丸型のイスのほかにも、公園を囲むようにたくさんのベンチが設置されています。
白銀公園を利用するのは子どもたちやお母さんたちだけではありません。お昼休みの時間になるとサラリーマンやOLさんの姿も見られます。一人でコンビニのおにぎりを食べる人や、数人でわいわいとお弁当を食べる人々、昼食後のひと時を木陰のベンチに座ってのんびり過ごす人など様々です。白銀公園にはたくさんのベンチが設置されていますが、お昼時には空いている席のほうが少ないようです。
白銀公園のすぐそば、歴史ある和菓子屋さん
梅花亭の入り口。この左の道をまっすぐ行くと
白銀公園があります。
さて、公園の南側の出口を出てまっすぐ、大通り沿いの角に梅花亭(ばいかてい)という和菓子屋さんがあります。
梅花亭は1935(昭和10)年の創業以来、「安心、安全、観て楽しく、食べておいしい」お菓子にこだわり続けている、神楽坂でも歴史ある和菓子屋さんです。
店内には色とりどりのおいしそうな和菓子が並び、お店の奥で職人さんが和菓子をひとつずつ手作りしている様子をガラス越しに見ることができます。
梅花亭のおかみさんにお話を伺ったところ、お昼時にはお弁当を持ってこちらでお菓子を買い、白銀公園で食べるサラリーマンの方やOLさんも多いのだとか。
というわけで私もさっそく買って食べてみることにしました!…とはいうものの、店頭に並ぶお菓子はどれもおいしそうで迷ってしまいます。しばらく迷っているとおかみさんが、梅花亭の銘菓である「浮き雲」と季節(夏季)限定の「みたらし団子」をすすめてくださいました。
梅花亭の銘菓「浮き雲」
季節(夏季)限定の「みたらし団子」
「浮き雲」は梅花亭の銘菓で、空にぽっかりと浮かぶ雲をあらわしたふわふわ焼きメレンゲの焼菓子で、間には小倉餡がはさんであります。
「みたらし団子」は一般的な串に刺さったものではなく、小さなカップに大きめのお団子が3つ入っており、たっぷりと甘辛いたれがかかっています。公園で食べやすいようにと、おかみさんが楊枝を添えてくださいました。
お店を出て白銀公園へと向かい、木陰のあいているベンチに腰掛け和菓子を食べてみました。
その日はちょうど心地よい風が吹いていて天気も良く、子どもたちのはしゃぐ声が聞こえ、なんだか不思議な空間にいるような気持になりました。都会の真ん中なのに、日ごろの都会の喧騒を忘れてのんびりとできるなんて、なかなか難しいと思いませんか?
天気の良いお昼には、梅花亭の甘いお菓子をお供に白銀公園に出かけてみてはいかがでしょうか。
※梅花亭では季節ごとに異なる和菓子を販売しており、記者がうかがった6月はみたらし団子などでした。