地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、新宿区地域ポータル「しんじゅくノート」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

新宿区地域ポータル「しんじゅくノート」

備えあればうれし泣き新宿

立川防災館見学ツアーにGO!(前編)

ハイパーレスキューを見学してきたよ

2010/03/30

「御一行様 こちらです~」
「御一行様 こちらです~」
もし地震などの災害に合ったらどうしよう? この街の安全って? みなさんは不安に思ったことはありませんか?
備えあれば憂いなし、それどころか、うれし泣きしてしまう!
ということで、“びちくん”といっしょに、新宿区の安全・安心を探していきます。

今回は、新宿区主催のバスツアーに参加し、防災訓練を体験してきました! そのときの模様を2回に渡ってお伝えします。

ハイパーレスキューって?

思えば遠くへ来たものだ~
思えば遠くへ来たものだ~
バスに乗ってやってきたのは、立川市にある立川防災館!
午前中は隣接する『東京消防庁第八本部消防救助機動部隊』訓練場の見学を、午後は防災館での防災訓練体験を行いました。

前編の今回は、消防救助機動部隊の訓練場を見学したときの様子をお送りします。一般見学は受け付けていないそうですので、貴重な体験です!

過酷な現場で救助活動を行うプロ集団

「セントバーナード犬」は人命救助のために災害にたちむかう救助隊のシンボル
「セントバーナード犬」は人命救助のために災害にたちむかう救助隊のシンボル
消防救助機動部隊。
特殊な技術・能力を有する隊員や装備で編成し、大型重機を備えるなど、多数の人命を早期に救助することを目的とした「自己完結型」のスペシャリスト部隊です。

通称の『ハイパーレスキュー』のほうが馴染みのある名称かもしれません。

誰もが一度はニュースで目にしたであろう救助活動の様子
誰もが一度はニュースで目にしたであろう救助活動の様子
ハイパーレスキューは、阪神・淡路大震災の教訓から創設されました。通常の消防力では対応が難しい状況においても、迅速な救助活動を行います。
想像を絶する過酷な現場でも、冷静に、確実に対応するために、厳しいトレーニングが行われます。また、重機操作や救急などの資格も、各自で取るそうですよ。

現場を仮想した訓練場に潜入!!

さまざまなシチュエーションを想定した訓練場を見学してきました。
電車事故での人命救助

ホームに落下した人の救出や、車両に挟まってしまった人の救助をする訓練を行います。電車の下敷きになると、10トンもの重みがかかってしまうとか。本物の電車車両を置いて、車体を持ち上げて助ける訓練などを行います。
事故があると電車が止まってイライラしてしまいがちですが、この救助活動にどうしても約1時間はかかるそうです。
実際の電車車両で訓練
実際の電車車両で訓練
怪我の重傷度が書かれた人形
怪我の重傷度が書かれた人形
訓練時につく無数の靴跡が頂上まで
訓練時につく無数の靴跡が頂上まで
高層ビルやマンションに登る!

はしご車の入れない場所では、ロープを上り下りしたり、ワイヤーを渡ったりすることになります。
ベランダで洗濯物を干しているうちに、子どもが鍵を……。小さい子を持つ女性ならば、一度くらいはひやりとした経験があるのではないでしょうか? ベランダに閉め出された人を助けることもあるそうですよ。
震災現場で生存者を捜す!

大地震が起きると、瓦礫や土砂に人が埋まることが予想されます。一刻も早い対応が、人の命を救うことになります。
瓦礫の下に生存者がいないか捜すには、伸縮棒の先端につけたCCDカメラや、電磁波、音響など、高度な機材が使われます。わずかな望みも捨てずに、あらゆる手段を使って救助活動をするのです。
ドラマではありません! 実際にこういう状況が予想されるのです。
ドラマではありません! 実際にこういう状況が予想されるのです。
瓦礫を目の当たりにし、生存者の捜索がいかに困難か経験談に耳を傾けます。
瓦礫を目の当たりにし、生存者の捜索がいかに困難か経験談に耳を傾けます。
火災現場で救助活動!

実火災体験型訓練施設では、救助活動で火災の中に入っていくのと同じ状況を作り、訓練が行われます。真っ黒にこびりついた“すす”が現場の悲惨さを想像させます。

何やら後ろで大きな音が…。振り向くとジャッキで家を持ち上げる訓練を行っています。写真では簡単そうに見えるかもしれませんが、近くで見るとこちらまで息を止めてしまうほど、力が入っているのがわかります。
勢揃いする緊急車両!

見たこともないような緊急車両もいっぱい!
ガソリンタンクの火災や放射能など、通常の消火活動では対応できない現場にも急行します。
積み込まれた救助用具は、どこに何があるか全て覚え、すぐに対応できるようにしておきます。レスキューの10倍ほど覚えることがあるんですって!
また、総務省から借りているボート2台も保有し、水難事故に向かうこともあるそうです。
「ほほ~、大きな消防車!」
「ほほ~、大きな消防車!」
救助用具がギッシリ積み込まれています。
救助用具がギッシリ積み込まれています。
航空隊が出動することも!
航空隊が出動することも!
空から震災現場へ!

第八本部の管轄区域は東京都多摩地区のほぼ東半分。約250平方キロメートル、人口約214万人です。
が、要請があれば、国内外問わず、広範囲かつ多岐に渡る緊急消防援助隊の派遣があります。
これまでにも、新潟・福島豪雨災害、新潟中越地震、アルジェリア地震派遣、その他多数の経験をもちます。
ときには航空隊が空から震災現場へ向かうことも。大型、小型の航空機があり、時速300kmほど出るとか。江戸川までなら15分で着くそうです! 山岳地域やビル火災等、航空隊もなくてはならない存在です。

見学を終えて…そして後編へ

ハイパーレスキュー隊の吹野さん<br>(と、びちくん)
ハイパーレスキュー隊の吹野さん
(と、びちくん)
今日、案内してくださったのは、ハイパーレスキュー2年目の吹野さん。
「平和な世の中のためには、出動がないのがいちばんいいわけですが、もしものときに出動に備えて、高い技術を磨き、鍛えています」。
一般住宅火災だと3時間くらいの活動ですが、震災となると24時間の救助活動が行われます。丸一日=24時間活動したら、二日からだを休めるそうです。密の濃い、過酷な24時間なだけに、休みの日は休養に専念すると言います。
実際の活動の様子はホームページで紹介されています。
ぜひご覧ください。
東京消防庁第八本部消防救助機動部隊ホームページ

さ、お昼を挟んで防災訓練の体験です。
その様子は後編で。